こんにちわ。成年後見人経験者、くじら99(@9jira99)です。
今回は、成年後見人になるまでのプロセスと、その間に直面した具体的な事務手続きについてお話しします。
成年後見人の申立から審判、登記完了までの流れと、実際に行った各種対応について詳しく説明します。
この記事を読んでいただく方で、まだ親と離れて暮らしていて心配だ、という方。
一度家族信託についてもご検討いただくことをオススメします。
詳細はこちらの記事をご確認ください。
目次
成年後見人の申立、審判、登記完了
まず、成年後見人の申立、審判、登記完了までの流れを簡単におさらいします。
- 申立書の提出
申立書には、本人の基本情報、後見人候補者の情報、本人の財産状況などを記載し
家庭裁判所に提出します。 - 家庭裁判所での面談
裁判所で面談を行い、申立に至った経緯や本人の経済状況、後見人候補者の適性などについて確認されます。 - 必要書類の提出
面談後、収支に関する資料、不動産の登記事項証明、銀行口座の情報などの書類を提出します。 - 審判の決定
審理を経て成年後見人としての適性が認められると、審判が下されます。 - 登記の完了
法務局に登記申請書を提出し、成年後見人としての登記が完了します。
上記の件については、弁護士事務所に相談の上申立のサポートをしてもらいました。
現実的に、離れた場所から、又仕事のある方は対応が難しいと思います。
具体的なお話は、下記をご確認ください。
施設に入所中の本人の支払い対応
成年後見人の審判が下り、登記が完了するまでの間も、Aさんは施設に入所しています。
医療や介護についての支払いを進める必要があります。
成年後見人になるまでは、支払いを猶予してもらうことになります。
介護施設側としても費用の支払いについては、成年後見人と話すことになるため
親切に今後の対応なども説明してもらいました。
初回の後見等事務報告
年末年始を挟み、また仕事の繁忙期だったため、初回の後見等事務報告の納期を1ヶ月延ばしてもらうよう家庭裁判所に相談し、了承を得ました。
この辺も含めて、わからないことは家庭裁判所に相談をするようにしました。
正直最初は怖いなと思います。ただ、慣れていくものです。
別に、事件の犯人で裁判所に行くわけではないので、怖がらずに対応をしていきましょう。
家庭裁判所との連絡
家庭裁判所から具体的な報告の納期などの連絡は基本的にないため、遅れると問題になることがあります。
支払いと領収書の管理
今後発生する交通費や事務で行う切手代金、印紙代金、交通費は、本人の資産から精算を行うため、各種領収書のコピーが必要です。
すべての支出について、領収書をしっかりと保管し、後で精算できるように準備しましょう。
まず、準備すべきはファイリングできるフォルダーですね。
家の訪問とゴミと郵便物の整理
ご本人Aさんの家に訪問し、ゴミと郵送物を確認しました。
家が足の踏み場もないゴミ屋敷状態の上、新たな支払い請求書やゴミ状態になっている郵送物が溜まっています。整理して、必要なものをピックアップしました。
また、遠方に住んでいる私の元に郵送物を転送するための手続きを行いました。
※郵送物の回送の方法は、自治体によって違うため確認するようにしてください。
自分自身に置き換えると、今回の事態になる前に整理整頓が重要ですね。
とはいえ、ある一定のボリュームを超えるとゴミ処理は個人では対応できないかもしれません。
ただし、いざ今回の事態になると、成年後見人・家族・近隣住人に迷惑をかけることになります。
そうなる前に、個人できることは手を打ちたいですね。
心配な方は、早めに見積・相談をおすすめいたします。
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支払い手続きの難しさ
今回は、郵便局・郵便貯金から支払いの手続きを行いましたが、これが非常に大変でした。
具体的には、毎回振込用の書類を書きます。
こちらは、毎回同じ内容(名前、口座など)を昔ながらの振り込み書類に記載をする。
そして毎回、以下のことを説明しました。
- 自分がこういう理由で成年後見人をやっていること。
- ご本人の代わりに振り込み対応をしていること。
- 決して、怪しいものではないこと。
仕事の合間、休み時間を利用しての対応のため、いつも焦りながら対応をしました。
まだまだ、成年後見人という仕事に対しての理解は進んでいないと体感しました。
成年後見支援預金の作成
家庭裁判所より成年後見支援預金という、大きな費用を裁判所の許可なく引き出しなどができない口座の作成を指示されました。
以下の対応を進めることになりました。
各銀行口座の正確な理解
まず、ご本人Aさんが持っているすべての銀行口座を正確に把握しました。
次に、それぞれの残高や利用状況を確認しました。
成年後見支援預金を作成する銀行・信用金庫を決める
成年後見支援預金を作成するために、どの銀行や信用金庫を利用するかを決めました。
今回は、介護施設への引き落としが可能な信用金庫を選びました。
信用金庫にて、二つの口座を作成しました。
・成年後見支援預金(大きな金額・使用には裁判所の許可がいる)
・成年後見 預金(生活の支払いに必要な支払いなどを行う最低限の金額の口座)
この手続きは、重要です。
被後見人の収支より、生活口座が足りなくなることがあります。
例えば、年金の収入があるが、施設の入所費用を引かれて、半年ごと生活用の口座が足りなくなるなど。
毎回、家庭裁判所に不足分の振込許可をお願いするのも大変です。
収支を考え、金融機関とよく相談してすすめましょう。
銀行へ口座の解約手続き
不要な口座の解約手続きを進め、必要な資金を成年後見支援預金に移行しました。
これにより、大きな支出については家庭裁判所の許可が必要となり、本人の財産が安全に管理されるようになります。
銀行口座の解約と集約については、下記の記事をご覧ください。
まとめ
成年後見人としての業務は、申立から審判、登記のプロセスを経て本格的に始まります。
その間も、本人の生活を支えるための具体的な支払い対応や事務手続きを行う必要があります。
家庭裁判所との連絡を密にし、必要な手続きを確実に進めることが重要です。
また、支払い手続きの際には領収書の管理を徹底し、後で精算できるように準備することも大切です。
今後も、成年後見人としての具体的な業務についてさらに詳しく紹介していきますので、ぜひご覧ください。
ここまで読んできた方は、ある程度大変さを共有・共感いただいたと思います。
成年後見人は財産を預かる大切な仕事であり同時に大変(面倒)な仕事です。