認知症の親の借金は誰が払う?返済義務・相続放棄・後見制度を元・後見人が解説【2026年最新】

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「親に借金があることが分かった。これ、自分が払わないといけないのか」

後見人として3年間、認知症の親族の財産管理をした私(くじら99)のもとにも、こうした相談が届くことがあります。ある日突然、債権者から手紙が届く。施設のスタッフから「以前の借金があるようで」と言われる。親が亡くなって初めて多額の借金の存在を知る。

こうした「認知症と借金」の問題は、誰にとっても突然やってきます。

この記事では、後見人として実際に財産管理・債権者対応・信用情報の調査まで経験した立場から、「認知症の親の借金は誰が払うのか」という問いに法律と実務の両面から答えます。きれいごとではなく、現実的な対処法をお伝えします。

この記事でわかること

  • 子どもや家族に親の借金の返済義務があるかどうか
  • 認知症で結んだ借金の契約が無効になる条件
  • 請求・差し押さえが来たときの初動対応
  • 債務整理・自己破産・時効援用の選択肢
  • 後見人として借金問題にどこまで対応できるか(実体験から)
  • 相続放棄の期限と単純承認になってしまう落とし穴
  • 連帯保証人が認知症になった場合の扱い

くじら99

この記事を書いた人:くじら99(元 成年後見人)

遠方(300km以上)に住む認知症の親族のため、働きながら家庭裁判所に選任され成年後見人を務めた経験を持つ会社員。

免責事項

当サイトは個人の成年後見業務の実体験に基づく情報提供であり、法的なアドバイスを行うものではありません。個別具体的な手続きについては、弁護士・司法書士などの専門家や管轄の家庭裁判所等へご相談ください。

目次

第1章:認知症の親の借金は誰が払う?まず結論

子どもや家族に返済義務は原則ない

くじら99

結論から言います。

親の借金を、子どもや家族が払う法律上の義務は、原則としてありません。

日本の民法は「債務は原則として本人のみが負う」という個人責任の原則を取っています。親が借金をしたからといって、子どもが自動的にその返済義務を負うことはありません。

「家族の借金だから払わないといけない」という感覚は、法律上は根拠がありません。債権者(貸した側)がそう主張してきたとしても、応じる必要はありません。

例外として義務が生じる3つのケース

ただし、以下の3つのケースでは例外的に家族に返済義務が生じます。

ケース内容注意点
連帯保証人になっている契約書に連帯保証人として署名した場合主債務者と同等の義務を負う
自分名義で借りた・契約した家族が自分の名前で借入した場合名義人本人の債務になる
相続した場合親が亡くなり相続を承認した場合プラスの財産と同時に借金も相続

この3つに該当しないのであれば、払う必要はありません。債権者から請求が来ても「私には返済義務がありません」と伝えることが正しい対応です。

発覚したときに最初に確認すべきこと

借金が発覚したら最初にやることは「事実の把握」です。感情的に動く前に、以下を落ち着いて確認してください。

  • 借金の相手は誰か(金融機関・消費者金融・知人・業者等)
  • 借入の時期と金額
  • 自分や家族が連帯保証人になっていないか
  • 契約書や請求書の内容
  • 親の判断能力が低下していた時期との前後関係

特に「いつ借りたか」は非常に重要です。認知症の診断前なのか、診断後なのか、あるいは診断前でも実質的に判断能力が低下していた時期なのか——これによって「契約が有効かどうか」の判断が変わります。


第2章:認知症で結んだ借金の契約は有効か

判断能力が低下していた場合は無効になる可能性

民法では、契約は「意思能力」がある状態で行う必要があります。

意思能力とは、自分の行為の結果を判断できる能力のことです。認知症が進行して意思能力が失われた状態で結んだ契約は、民法3条の2により無効となる可能性があります。

また、家庭裁判所により後見開始の審判を受けた方(成年被後見人)が行った法律行為は、日常生活に関する行為を除いて取り消すことができます(民法9条)。

これが重要な意味を持つのは、借金の返済を拒否できる根拠になり得るからです。

「契約時に判断能力がなかった」ことを主張できれば、返済義務を争う余地が生まれます。

診断書・通帳・郵便物で判断能力の状態を把握する

「判断能力がなかった」という主張をするためには、それを裏付ける証拠が必要です。

  • 医師の診断書・カルテ:認知症の診断時期と程度を示す最も強力な証拠。かかりつけ医や病院に問い合わせて取得します
  • 介護認定の記録:要介護認定の時期と程度が記録されています
  • 通帳・郵便物:異常な出金・不審な請求書があれば、いつから問題が始まったかの証拠になります
  • 施設・ケアマネの記録:日常生活の状況が記録されており、判断能力の状態を示す間接証拠になります

後見人として私が実際に経験したのは「この契約は本人が認知症を発症した後に結ばれたものではないか」という疑念を持ったとき、カルテと認定調査票を取り寄せて時系列を確認したことです。

くじら99

書類を揃えることが、主張の根拠になります。

訴えられた場合に家族が知っておくべき対応

親が訴えられた・訴状が届いた場合、最も大切なのは無視しないことです。

訴状に対して期日までに応答しないと、相手方の主張が認められる「欠席裁判」になる可能性があります。認知症の親本人が対応できない場合、成年後見人が代理人として対応します。後見人がいない場合は、弁護士に相談して訴訟代理人を立てることが必要です。

状況対応
後見人がいる後見人が弁護士に依頼して対応
後見人がいない今すぐ弁護士に相談・後見申立ても検討
家族が連帯保証人自分自身の問題として弁護士に相談

第3章:借金が発覚したときの初動対応

債権者から請求が来たら放置しない

「認知症の親の借金だから、放っておけばいい」という判断は危険です。

債権者(貸した側)は、時効が成立するまで請求する権利を持ちます。

消滅時効は原則として5年(商事債務)ですが、時効は「中断」することがあります。裁判を起こされた場合は判決確定から10年に延長されます。

くじら99

放置すると、以下のリスクが現実になります。

  • 裁判所から「支払督促」が届く
  • 裁判所の判決が確定して強制執行(差し押さえ)が始まる
  • 連帯保証人に請求が回る

「無視する」のではなく「適切に対応する」——これが正しい姿勢です。どう対応すればいいか分からない場合は、弁護士または司法書士に相談してください。

差し押さえはあり得る?年金・不動産・預貯金への影響

裁判所の判決が確定すると、強制執行(差し押さえ)が可能になります。

ただし、差し押さえには法律上の制限があります。

  • 年金:差し押さえ禁止(国民年金法・厚生年金法により)
  • 預貯金:差し押さえ可能(ただし生活費相当額の一部は禁止)
  • 不動産:差し押さえ・競売が可能
  • 動産(家財等):差し押さえ可能(生活必需品は禁止)

年金が差し押さえられると思って怖くなっている方がいますが、年金そのものは法律で守られています。ただし口座に振り込まれた年金が預金口座に入った後は「預貯金」として差し押さえられるケースがあります。

後見人として財産管理をしていた際、債権者から「財産を押さえる」という圧力をかけられることがありました。冷静に「何が差し押さえられて何が差し押さえられないか」を把握しておくことが、不当な圧力に屈しないための知識になります。

施設・介護中の親に請求が来た場合の注意点

施設に入所中の親に請求書が届き、施設のスタッフから「どうしましょう」と連絡が来ることがあります。

この場合、後見人がいれば後見人が対応します。後見人がいない場合、家族が「自分には返済義務がない」ことを確認した上で、弁護士に相談することをすすめます。

施設側は「早く解決してほしい」という気持ちから家族に圧力をかけることがありますが、施設への入所継続と借金問題は別の問題です。

借金問題の解決を急ぐあまり、連帯保証人でもないのに払ってしまうという失敗を防いでください。


第4章:解決方法の選択肢(債務整理・自己破産・時効援用)

任意整理・個人再生・自己破産の違いと選択基準

認知症の本人に借金がある場合、返済が困難であれば「債務整理」という法的な解決手段があります。

手続き内容向いているケース
任意整理債権者と個別に交渉して返済条件を見直す借金が一部で、返済継続できる場合
個人再生裁判所を通じて借金を大幅に減額する住宅を残したい場合・返済能力が一定ある場合
自己破産裁判所が借金を免除(免責)する返済能力が全くない場合

認知症の方の場合、本人が手続きの意味を理解できない状態であることが多く、成年後見人が代わりに手続きを進めることが一般的です。

認知症でも自己破産できる?後見人・弁護士が代わりに進める方法

認知症の方でも自己破産は可能です。ただし本人が手続きの意味を理解できない場合は、成年後見人が代理人として手続きを進めることになります。

流れは以下の通りです。

  1. 成年後見の申立て(後見人がいない場合)
  2. 後見人が選任される
  3. 後見人が弁護士または司法書士に依頼
  4. 弁護士が破産申立書を作成・裁判所に提出
  5. 免責審尋・免責許可決定

後見人は法律の専門家ではないため、借金問題では必ず弁護士または司法書士に相談することをすすめます。後見人が「弁護士に依頼する」という意思決定をすることが後見人の仕事であり、法律的な処理は専門家に任せることが正解です。

時効の援用で返済を回避できるケースと失敗しない注意点

くじら99

借金には「消滅時効」があります。

一定期間、債権者が権利を行使しなかった場合、時効が完成し返済義務が消滅します。

  • 消費者金融・銀行カードローン等:最後の返済から原則5年
  • 個人からの借金:原則10年

ただし、時効は「援用(じこうえんよう)」しなければ自動的に消滅しません。「時効です」と債権者に通知する必要があります。

時効が中断・更新されるケース(注意)

  • 債務の承認(「少し待ってほしい」という言動も含まれる場合がある)
  • 裁判上の請求
  • 強制執行

認知症の親が「少し待ってほしい」と言ってしまったり、一部を返済してしまったりすると、時効が更新(リセット)されることがあります。家族が「善意で少し払っておいた」という行為が、時効を台無しにする可能性があります。


借金問題の相談先はここ(相続アシスト)

認知症の親の借金問題は、相続・後見・法律が複雑に絡み合います。「自分で全部解決しよう」と抱え込まず、まず専門家への無料相談から始めることをすすめます。相続アシストは相続・後見に詳しい専門家が全国対応で無料相談を受け付けています。

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認知症の親の借金問題は、相続・後見・法律が複雑に絡み合います。「自分で全部解決しよう」と抱え込まず、まず専門家への無料相談から始めることをすすめます。

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第5章:成年後見制度でできること・できないこと

借金問題に後見制度がどう絡むか

成年後見制度は、認知症などで判断能力が低下した方を法的に保護する制度です。後見人が選任されると、本人の財産管理と身上保護を代理で行います。

くじら99

借金問題との関係で重要なのは以下の2点です。

① 後見開始後の契約は取り消せる

成年後見開始の審判を受けた方が結んだ契約は、日常生活に関する行為を除いて取り消すことができます(民法9条)。つまり後見開始後に結ばれた借金契約は、後見人が取り消せる可能性があります。(出典:法務省「成年後見制度・成年後見登記制度Q&A」)

② 後見申立て前の契約は「意思能力の有無」で判断

後見開始前の借金については、「契約時に意思能力があったかどうか」が争点になります。医師の診断書・カルテ・介護認定記録が証拠になります。

法定後見の申立てから選任までの流れ

ステップ内容期間目安
申立て書類の準備申立書・診断書・財産目録等を作成1〜2ヶ月
家庭裁判所への申立て住所地の家裁へ書類を提出申立て日
審理・調査裁判所が本人と面接・専門家が鑑定する場合も2〜4ヶ月
後見人選任の審判裁判所が後見人を決定し通知審理完了後
登記・後見開始後見登記が完了して実務開始2〜3週間

申立てから後見人が動けるまで、合計3〜6ヶ月かかるのが実態です。急を要する場面では「審判前の保全処分」という制度もありますが、通常は時間がかかることを前提に動いてください。

任意後見・家族信託との違いとデメリット

制度開始タイミング特徴
法定後見判断能力低下後家裁が後見人を決定。専門職が選ばれることが多い
任意後見元気なうちに契約、発動は低下後自分で後見人を選べる
家族信託元気なうちに設計財産管理を家族に任せられる・家裁の監督なし

借金問題が発生した段階では、すでに判断能力が低下しているケースが多く、任意後見も家族信託も使えないことがほとんどです。「借金が発覚してから動く」より「元気なうちに対策しておく」ことが、この問題の最善の予防策です。


第6章:後見人が借金問題に対応する実務(元・後見人の実体験)

後見人が債権者と交渉できるか・財産管理の範囲

後見人は本人の法定代理人として、債権者との交渉に関わることができます。ただし「交渉」の内容によって、後見人単独でできることとできないことがあります。

後見人単独でできること

  • 債権者への連絡・事情説明
  • 支払いの一時停止の要請
  • 弁護士への依頼(後見人として)
  • 通帳・財産の状況確認と報告

後見人単独ではできないこと・注意が必要なこと

  • 債務の弁済(本人財産から支出する場合は家裁への報告が必要)
  • 任意整理・自己破産の手続き(弁護士に依頼する)
  • 担保に入っている不動産の処理(家裁の許可が必要な場合がある)

私が後見人として経験した場面では、「本人宛に督促状が来ている」ことを施設から知らされ、最初に弁護士に連絡して状況を報告しました。

後見人は「問題を自分で全部解決しよう」とするのではなく、「専門家につなぐ」ことが最も重要な仕事です。

後見人が自己破産・債務整理を弁護士に依頼する方法

後見人が弁護士に自己破産を依頼する場合、委任状が必要です。後見人が弁護士との委任契約を締結し、費用は本人の財産から支出します(家裁への報告が必要)。

実務上の流れ:

  1. 後見人が複数の弁護士事務所に相談(初回無料のところを活用)
  2. 依頼する弁護士を決めて委任契約締結
  3. 弁護士が債権者に「受任通知」を送付(督促が止まる)
  4. 弁護士が申立書類を作成・裁判所に提出
  5. 管財人が選任され(少額管財の場合)財産の調査・清算
  6. 免責許可決定

受任通知が債権者に届いた瞬間から、督促の電話・手紙が止まります。「とにかく督促を止めたい」という場合も、まず弁護士への依頼が最優先の行動です。

信用情報機関への照会・通帳開示で借入状況を把握する手順

後見人として最初にやることの一つが「借金の全貌を把握する」ことです。

信用情報機関への開示請求

日本には3つの信用情報機関があります。

機関名対象
CICクレジットカード・消費者金融
JICC(日本信用情報機構)消費者金融・クレジット
KSC(全国銀行個人信用情報センター)銀行・信用金庫

後見人は本人の法定代理人として、信用情報の開示請求ができます。各機関のウェブサイトから手続きが可能で、費用は1機関あたり数百円〜1,000円程度です。

通帳・郵便物の確認

通帳の引き落とし履歴に、見覚えのない消費者金融や業者名があれば借金の証拠になります。郵便物も重要で、「督促状・利用明細・支払い案内」などが届いていないか確認します。

後見人として私が実際にやったのは、通帳を全ページコピーして不審な出金を一つひとつ確認することでした。そこから「知らなかった借金」が出てくることは珍しくありません。


第7章:相続が始まったらどうなる?

親の死亡で借金は相続される

親が亡くなると、プラスの財産(預貯金・不動産等)と同時に、マイナスの財産(借金・未払いの費用等)も相続されます。これが「単純承認」による相続です。

相続人が複数いる場合、借金は法定相続分に応じて各相続人に分割されます

「自分は関係ない」と思っていても、法定相続人であれば借金の一部を承継している可能性があります。

相続放棄の手続きと3ヶ月以内の期限

借金の方が財産より多い場合(債務超過)は、相続放棄を検討します。

相続放棄をすると、プラスもマイナスも含めて一切の相続権を失います。

最重要:3ヶ月の期限

相続放棄の申述は「相続の開始を知った時から3ヶ月以内」に家庭裁判所へ行う必要があります(民法915条)。この期限を過ぎると原則として相続放棄ができなくなります。

単純承認になってしまう落とし穴

相続放棄を検討中に以下の行為をすると、「単純承認した」とみなされ放棄できなくなる場合があります(民法921条)。

  • 相続財産を処分する(部屋の片付け・遺品整理等)
  • 相続財産を消費する
  • 故人の預金口座から引き出す
  • 故人の借金を自分の財産から払う

「善意で部屋を片付けた」「ひとまず葬儀費用を口座から払った」という行為が、相続放棄の道を閉ざす可能性があります。放棄を検討しているなら、財産に手をつける前に弁護士に相談してください。

限定承認を検討すべきケースと不動産がある場合の判断

相続財産の中に「不動産があって資産価値は不明」「借金の総額が把握しきれない」という場合は、限定承認も選択肢です。

限定承認は「プラスの財産の範囲内でのみ借金を払う」という手続きで、プラスの財産で足りなかった分の借金は免除されます。

デメリットは手続きが複雑で、相続人全員で行う必要があること。弁護士の関与が実質的に必要になります。

選択肢内容向いているケース
単純承認プラス・マイナスをすべて相続財産 > 借金が明らか
相続放棄一切を放棄借金 > 財産が明らか
限定承認プラスの範囲でのみ借金を払う財産の全貌が不明

相続・借金問題の手続きは専門家に(相続アシスト)

相続放棄の期限は3ヶ月。この期限内に全体像を把握して判断するのは、素人には難しい作業です。相続アシストに相談すれば、どの選択肢が最善かを一緒に整理してもらえます。

借金・相続問題の相談先

認知症の親の借金問題は、相続・後見・法律が複雑に絡み合います。「自分で全部解決しよう」と抱え込まず、まず専門家への無料相談から始めることをすすめます。

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第8章:連帯保証人が認知症になった場合の問題

連帯保証人が認知症になったら返済義務はどうなるか

「親が誰かの借金の連帯保証人になっていた」という問題も、認知症と借金が絡む典型的なケースです。

連帯保証人の義務は、主債務者(借りた本人)が返済できない場合に、保証人が代わりに全額返済する義務です。これは認知症になっても消えません。

ただし、連帯保証人が認知症になった後に締結された保証契約は、意思能力の欠如を理由に無効を主張できる可能性があります。

保証契約の時期と、認知症の診断時期・判断能力の低下時期の前後関係が重要です。

親が保証人だったケースで子どもが確認すべき点

親が誰かの連帯保証人になっていた場合、その債務は相続の対象になります。親が亡くなった後、突然「保証債務を払え」という請求が来るケースがあります。

確認すべき点:

  • 保証契約書の内容(誰の借金の保証か・金額の上限はあるか)
  • 2020年4月以降の契約であれば極度額(上限額)の定めがあるはず
  • 主債務者(借りた本人)の現在の返済状況
  • 主債務者の資力

相続放棄をすれば連帯保証債務も相続しないため、明らかに払えない保証債務がある場合は相続放棄を検討します。

保証契約の有効性と認知症・自己破産との関係

認知症の状態で保証人になってしまった場合、後から契約の無効を主張できる場合があります。

この場合も医師の診断書・カルテ・介護認定記録が証拠になります。

また、後見人が選任されている場合、後見人の同意なく結ばれた保証契約は取り消しができる可能性があります(民法13条)。


第9章:専門家に相談すべきケースと費用の目安

無料相談を使う目安

以下のいずれかに該当する場合は、すぐに専門家に相談してください。

  • 借金の総額が100万円以上
  • 訴状・支払督促が届いた
  • 差し押さえの予告が来た
  • 相続放棄の3ヶ月期限が近い
  • 連帯保証人になっているかもしれない
  • 後見人がまだいない状態で問題が起きている
  • 「払わないといけない」と債権者から圧力をかけられている

「自分で解決しよう」と後回しにするほど、選択肢が狭まります。無料相談だけでも早めに動いてください。

弁護士と司法書士の違い・費用相場

専門家対応できる手続き費用目安
弁護士すべての裁判・交渉・自己破産着手金20〜50万円+報酬
司法書士訴訟代理は140万円以下の案件のみ弁護士より低め

多額の借金・複雑な案件・裁判になった場合は弁護士が必要です。比較的シンプルな案件であれば司法書士でも対応できます。

法テラス(0570-078374)では、収入が一定以下の場合に弁護士費用の立替制度があります。費用が心配な方はまず法テラスに問い合わせてください。

今から対策するなら家族信託・任意後見が有効

借金問題が起きた段階では、すでに「後手に回っている」状態です。

認知症が進む前に家族信託や任意後見を設計しておけば、判断能力が低下しても家族が財産を管理できます。「怪しい業者に借金させられる」「詐欺被害に遭う」というリスクも大幅に下がります。

親がまだ元気なうちに動ける方には、今すぐ家族信託の専門家への相談をすすめます。


事前対策として家族信託を(おやとこ)

認知症になった後では家族信託は使えません。「親が元気なうちに」動けるかどうかが、将来の借金トラブルを防ぐ最大のポイントです。

借金トラブルを未然に防ぐために

認知症になった後では家族信託は使えません。「親が元気なうちに」動けるかどうかが、将来の借金トラブル・詐欺被害・口座凍結を防ぐ最大のポイントです。まず無料相談だけでも、早めに動いてください。

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よくある質問

Q. 親の借金、子どもは払わないといけませんか?

A. 原則として払う義務はありません。連帯保証人・自分名義の契約・相続のいずれかに該当する場合のみ例外的に義務が生じます。債権者から請求が来ても、まず自分がこの3つに該当するか確認してください。

Q. 認知症で結んだ借金の契約は無効になりますか?

A. 契約時に意思能力がなかった場合は民法3条の2により無効となる可能性があります。また後見開始の審判後の契約は取り消せます。医師の診断書・カルテ・介護認定記録が証拠になります。

Q. 相続放棄の期限はいつまでですか?

A. 「相続の開始を知った時から3ヶ月以内」に家庭裁判所へ申述する必要があります。この期限を過ぎると原則として放棄できなくなります。放棄を検討しているなら、財産に手をつける前に弁護士に相談してください。

Q. 後見人は借金の交渉ができますか?

A. 後見人は債権者への連絡・弁護士への依頼など一定の対応ができます。ただし法律的な交渉・自己破産の手続きは弁護士に依頼します。後見人が「専門家につなぐ」ことが最も重要な仕事です。

Q. 認知症の親が自己破産できますか?

A. できます。本人が手続きの意味を理解できない場合は成年後見人が代理人として弁護士に依頼して進めます。後見人がいない場合は、まず後見の申立てが必要です。

Q. 差し押さえを止める方法はありますか?

A. 弁護士に依頼して「受任通知」を債権者に送ることで、督促・差し押さえの動きを一時的に止めることができます。また債務整理・自己破産の手続きを開始すると、強制執行が中止されます。差し押さえの予告が来たら、すぐに弁護士に相談してください。


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※当サイトは個人の実体験に基づく情報提供であり、法的助言ではありません。借金・相続放棄・債務整理の判断は個別の状況によって異なります。必ず弁護士・司法書士等の専門家にご確認ください。出典:民法3条の2・9条・13条・915条・921条/法務省「成年後見制度・成年後見登記制度Q&A」/厚生労働省「成年後見制度の現状(令和6年4月)」


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