家族が亡くなって、葬儀社から「家族葬にしますか、一日葬にしますか」と聞かれた。あるいは、まだ先のことだけれど、親の葬儀をどんな形にするか考え始めた。家族葬と密葬、一日葬、直葬は何がどう違うのか、整理できないまま決める日が近づいている。そんな方へ。
私は、認知症の叔父の成年後見人を3年務めました。叔父が特養で亡くなったあとの葬儀は親族が中心で、私は手配を手伝い、葬儀社との打ち合わせに同席しました。喪主として葬儀を出した経験ではないので、そこは先に書いておきます。この記事では、公的な情報と調査をもとに違いを整理し、打ち合わせの席で私が見ていた点を添えます。
結論:家族葬は「呼ぶ人を限る」葬儀の呼び方
- 家族葬とは、家族や親しい人など、呼ぶ人を限って行う葬儀の呼び方です。法律で決まった定義があるわけではなく、どこまで呼ぶかは喪主と家族が決めます
- 違いは「呼ぶ人の範囲」と「通夜・告別式をするか」の2点で整理すると分かりやすくなります。密葬は、あとで本葬やお別れ会を行う前提の呼び方です
- 形式の名前より先に、誰を呼ぶかと、いくらまでなら出せるかを家族で決めておくと、打ち合わせで迷いにくくなります
家族葬・密葬・一日葬・直葬の違い

名前は葬儀社や地域によって使い方が少しずつ違います。次の表は一般的な呼び方の目安です。見積もりを取るときは、名前ではなく「何が含まれているか」を確かめてください。
| 呼び方 | 呼ぶ人 | 通夜・告別式 | 考え方の目安 |
|---|---|---|---|
| 一般葬 | 親族のほか、友人・職場・近所など広く | 通夜と告別式を行う | 広く知らせて、弔問を受ける |
| 家族葬 | 家族・親族、ごく親しい人など限った範囲 | 通夜と告別式を行うことが多い | 人数を絞って、ゆっくり見送る |
| 密葬 | 身内など限った範囲 | 先に身内だけで行う | あとで本葬やお別れ会を行う前提の呼び方 |
| 一日葬 | 家族葬と同じく限る場合が多い | 通夜をせず、告別式と火葬を1日で行う | 2日に分けない分、日程の負担を減らす |
| 直葬(火葬式) | ごく近い家族のみ | 通夜・告別式を行わず、火葬のみ | 儀式を省いて火葬で見送る |
家族葬は「規模」の呼び名で、儀式の形(通夜をするか、しないか)を決めるものではありません。「家族葬の一日葬」のように、重ねて使われることもあります。
どれくらい選ばれていて、費用はどれくらいか

鎌倉新書の「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」は、直近2年以内に喪主などを経験した40歳以上の2,000名にインターネットで聞いた調査です(調査期間は2026年2月27日〜3月3日。結果はマイナビニュースの記事で確認、2026年11月3日)。実施した葬儀の種類は、次の割合でした。
| 葬儀の種類 | 実施した割合 | 葬儀費用の総額(調査の数字) |
|---|---|---|
| 家族葬 | 47.0% | 96.39万円 |
| 一般葬 | 30.2% | 122.01万円 |
| 一日葬 | 11.9% | 74.43万円 |
| 直葬・火葬式 | 10.8% | 49.56万円 |
同じ調査で、全体の平均は96.73万円でした(2026年11月3日確認)。見方の注意として、これは回答者の実際の支出の集計で、「この形式ならこの金額になる」という相場ではありません。参列者の人数、飲食や返礼品、お布施の有無で総額は大きく変わります。
火葬には、法律上の決まりもあります。墓地、埋葬等に関する法律の第3条は、埋葬または火葬を、他の法令に別段の定めがある場合を除き、死亡または死産後24時間を経過した後でなければ行ってはならないとしています(墓地、埋葬等に関する法律 第3条、2026年11月3日にe-Gov法令検索で確認)。直葬でも、亡くなってすぐに火葬することはできません。
家族葬で起きやすいこと
呼ぶ人を絞ると、静かに見送れる一方で、次のようなことが起きることがあります。どれも起きると決まっているわけではありませんが、決める前に知っておくと、あとで慌てずに済みます。
- 知らせなかった方から、あとで問い合わせが来る:亡くなったことを後日知った方が、弔問や香典の申し出をされることがあります。その対応を誰がするかを、先に決めておきます
- 親族の間で「呼ぶ・呼ばない」の考えが分かれる:どこまで呼ぶかは、家族葬はどこまで呼ぶ?親族の範囲・連絡の仕方・断り方で詳しく書いています
- 人数が少ない分、1人あたりの費用が下がるとは限らない:葬儀社のプランに含まれる人数や、追加になる項目は見積書で確かめます
打ち合わせの席で、私が見ていたこと
叔父の葬儀では、親族が中心になって進め、私は手配を手伝って、葬儀社との打ち合わせに同席しました。パック料金の見積書を受け取り、カタログを見ながらオプションを勧められる場面もありました。
そのとき守ったのは、費用を決めるのは相続人という線です。後見人として叔父のお金を管理してきた立場でも、亡くなったあとの葬儀の費用をどうするかは、相続人が決めることです。私は手配を手伝う立場にとどまりました。
この経験から、打ち合わせでの判断の基準としてお勧めしたいのは、全部の項目を理解しようとしないことです。見るのは「パックに含まれるものと、追加になるものが見積書で分けて書かれているか」。そこが分かれていて、聞いたことに答えてもらえたら、あとは決める人が決めます。決めた内容と理由は、メモに残しておくとあとで助けになります。見積書の見方は葬儀の見積もりで注意すべき項目に書いています。
選ぶときに見るところ

- 呼ぶ人の範囲を、先に家族で決める:人数が決まらないと、会場もプランも決められません
- 通夜をするかどうか:遠方の親族の日程や、高齢の参列者の負担を考えて決めます
- パックに含まれるものと、追加になるもの:火葬料、飲食、返礼品、お布施などが含まれているかを、見積書で確かめます
- 菩提寺があるか:お寺との付き合いがある場合は、葬儀社に頼む前にお寺へ連絡が必要になることがあります
- 費用を決める人と、支払う人:誰が決めて、誰が払うかを先に確かめます。後見人・相続人の場合は家族葬の費用は誰が払う?を読んでください
この5つを決めたうえで、葬儀社を2〜3社比べると、形式の名前に引っ張られずに選べます。1社だけで決めずに、見積書を並べて見ることが大事です。
資料を取り寄せて、プランを比べる
亡くなってからでは比べる時間がとれません。まだ余裕があるうちに、プランと料金の資料を取り寄せておくと、見積書の見方も変わります。家族葬と一日葬、直葬を同じ表で出している葬儀社もあります。たとえば、家族葬のソファミ(PR)は、直葬・火葬式・1日葬・家族葬の4つの定額プランを公式サイトで案内しています(旧名「家族葬のこれから」、2026年10月1日に名称変更。公式サイトで2026年11月3日確認)。
公式サイトでは、資料請求は無料で、資料割引を適用した家族葬プランの価格が438,900円(税込)と案内されています(火葬料は別で、場合により追加料金あり。2026年11月3日確認)。この金額は、鎌倉新書の調査の総額(飲食費・返礼品費を含む)とは数え方が違うので、並べて高い・安いを決めないでください。含まれる項目を見比べるための資料として使ってください。私は使っていないので、使い心地は書けません。
よくある質問
家族葬と密葬は同じですか?
同じ意味で使われることもありますが、密葬は、先に身内だけで葬儀を行い、あとで本葬やお別れ会を行う前提の呼び方です。本葬を行わない場合は、家族葬と呼ぶことが多いようです。葬儀社に「このプランは本葬を前提にしていますか」と聞くと、はっきりします。
家族葬には誰を呼べばよいですか?
決まりはありません。喪主と家族が決めます。迷ったら、「呼ばなかったことを、あとで説明できるか」を基準にして、決めた理由をメモに残しておくと、あとで聞かれたときに答えやすくなります。
家族葬は一般葬より必ず安いですか?
必ずとは言えません。上の調査では家族葬の総額が一般葬より低い数字でしたが、これは回答者の実際の支出の集計です。プランの内容や追加項目で変わるので、見積書で確かめてください。
亡くなった本人が施設にいた場合、まず何をしますか?
施設の担当者に連絡し、葬儀社の手配と搬送の段取りを確認します。被後見人が亡くなった場合の届け出は、被後見人が亡くなったら死亡届は誰が出す?にまとめています。
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葬儀のプランと料金を、先に見比べておく
亡くなったあとは、短い時間で決めることが続きます。家族葬のプランと料金の資料を取り寄せて、含まれる項目を見比べておくと、打ち合わせで迷いにくくなります。資料請求は無料です(公式サイト、2026年11月3日確認)。
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※この記事は一般的な情報で、法律の助言ではありません。葬儀の形式や費用は、葬儀社・地域・菩提寺によって違います。決める前に、複数の葬儀社の見積書とお寺の考えを確かめてください。費用の負担や親族間の争いがある場合は、専門家にご相談ください。
この記事を書いた人:くじら99(元・成年後見人)
300km離れた認知症の叔父の成年後見人を、家庭裁判所に選ばれて、会社員のまま3年務めました。法律の専門家ではありません。家庭裁判所に出した書類や見積書など、記録が残っていることを書いています。運営者について
