家族葬の費用は誰が払う?後見人・相続人が知っておくべき負担のルールを解説

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「親が亡くなった。家族葬にしようと思うが、費用は誰が払うのか」
「後見人として葬儀費用を被後見人の財産から出してもいいのか分からない」
「兄弟が複数いるが、費用負担をどう分けるかで揉めそうだ」

家族葬を選んでも、費用の支払いをめぐる問題は避けられません。

私は成年後見人として被後見人の葬儀に関わり、費用をどう処理するかで実際に悩んだ経験があります。後見人には厳しい財産管理義務があり、「葬儀費用を被後見人の財産から払ってよいのか」という問いは、後見人として真剣に向き合うべき問題でした。

この記事では、家族葬の費用は誰が払うのかという基本から、後見人・相続人が直面する実務的な問題まで、実体験を交えて解説します。

くじら99

この記事でわかること

  • 家族葬の費用負担の基本ルール(喪主・相続人・遺産の関係)
  • 家族葬の費用相場と内訳(2024年最新データ)
  • 口座凍結後の仮払い制度の使い方
  • 後見人が葬儀費用を払う際の注意点と権限
  • 相続人が複数いる場合の費用分担の考え方
  • 香典は誰のものか
  • 費用をめぐるトラブルの典型例と対処法

くじら99

この記事を書いた人:くじら99(元 成年後見人)

遠方(300km以上)に住む認知症の親族のため、働きながら家庭裁判所に選任され成年後見人を務めた経験を持つ会社員。

免責事項

当サイトは個人の成年後見業務の実体験に基づく情報提供であり、法的なアドバイスを行うものではありません。個別具体的な手続きについては、弁護士・司法書士などの専門家や管轄の家庭裁判所等へご相談ください。

目次

第1章:家族葬の費用は誰が払う?基本的な考え方

喪主・施主・相続人の関係を解説

家族葬の費用は基本的に喪主が負担します。葬儀費用は、喪主が故人に代わって葬儀社と契約し支払う形が一般的です。

しかし、喪主・施主・相続人は必ずしも一致しません。

役割定義
喪主葬儀を取り仕切る代表者。故人との関係が近い人(配偶者・長子等)が務めることが多い
施主葬儀費用を負担する人。喪主と同一のことが多いが別になることもある
相続人遺産を相続する法律上の権利を持つ人。必ずしも葬儀費用を負担する義務はない

葬儀費用は法律上の支払い義務者が明確に定められていません

誰が支払うかは、慣習・家族間の合意・故人の遺言によって決まります。

故人の遺産から払う方法と親族が立て替えるケース

葬儀費用の支払いには主に2つのパターンがあります。

① 故人の遺産から支払う

後述する「預貯金の仮払い制度」を使って、故人の口座から葬儀費用相当額を引き出す方法です。遺産分割前でも一定額まで引き出せます。

② 喪主・家族が立て替えて後で精算する

喪主が一時的に自分の費用で支払い、後の遺産分割協議の際に「葬儀費用として支出した分」を遺産から精算するケースです。

後見人が関わる場合は③のパターンもあります。

③ 後見人が被後見人の財産から支出する(要注意)

後見人は被後見人の財産管理権を持ちますが、葬儀費用の支出には条件があります。詳しくは第4章で解説します。

親の葬儀代は長男負担?慣習と法律上の違い

「長男が親の葬儀代を出すのが当然」という慣習は根強いですが、法律上の根拠はありません。

扶養義務(民法877条)は親族間に一定の扶養義務を定めていますが、葬儀費用の負担義務を直接定めた規定はありません。

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実務上よく起きること

  • 長男が喪主を務め、葬儀費用を全額立て替える
  • 後の相続で「葬儀費用分を多く取り分として認めてほしい」と主張するが、他の相続人に拒否される
  • 協議がまとまらず揉める

こうしたトラブルを防ぐには、事前に誰が喪主になり、費用をどう分担するかを家族で話し合っておくことが最も重要です。


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第2章:家族葬の費用相場と内訳

家族葬10人の費用相場

2024年に鎌倉新書が行った「第6回お葬式に関する全国調査」によると、家族葬の費用相場は105.7万円。内訳は、斎場使用料や火葬料などの基本料金が72.0万円、飲食費が17.1万円、返礼品費が16.5万円です。

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ただしこれは平均値です。

10人規模の小規模な家族葬の場合は、より費用が抑えられるケースもあります。

10人規模の家族葬費用目安

項目費用目安
葬儀一式(斎場・火葬・棺・祭壇等)30〜80万円
飲食費(通夜振る舞い・精進落とし)5〜15万円
返礼品3〜8万円
お布施(寺院費用)10〜30万円
合計目安48〜133万円

10人規模の家族葬の費用相場は40万〜135万円程度と幅があります。

会食をしない・通夜を省略する(一日葬)という選択で費用を下げることが可能です。

家族葬20人・30人の費用比較

参列者が増えるほど費用は上がりますが、1人あたりのコストは下がる傾向があります。

規模総費用の目安特徴
5〜10人48〜100万円最小規模・直系家族のみ
15〜20人80〜130万円親族まで含む標準的な家族葬
25〜30人100〜150万円一般葬に近い規模

注意点として、参列者が減ると香典収入も減ります

香典が少ない分、喪主・家族の実質負担額が増えることがあるため、「家族葬は必ず安い」とは限りません。

通夜・火葬・斎場・飲食・寺院の費用内訳

葬儀一式費用(基本費用)

葬儀社に支払うメインの費用です。斎場使用料・火葬場利用料・祭壇・棺・遺影・搬送料・人件費などが含まれます。相場は45〜130万円程度と幅があります。葬儀社の見積もりに含まれることが多く、追加料金が発生しにくい部分です。

飲食接待費用

通夜振る舞い・精進落とし等の飲食費用です。参列者数によって大きく変わります。家族葬では会食を省略するケースも増えており、これにより費用を抑えることが可能です。

寺院費用(お布施)

読経・戒名授与に対するお礼として支払います。葬儀社の見積もりには含まれないことが多く、別途準備が必要です。相場は20〜50万円程度と幅があります。無宗教葬であれば不要です。


第3章:親の葬式代がないときの対処法

口座凍結後の仮払い制度と手続き

故人の銀行口座は、金融機関が死亡を知った時点で凍結されます。凍結されると家族であっても原則として引き出せなくなります。

しかし、葬儀費用の支払いに困る遺族のために「相続預貯金の仮払い制度」があります。

預貯金の仮払い制度は、遺産分割協議や遺産の名義変更が完了する前であっても、一定額まで相続人が故人名義の預貯金を引き出せる制度です。

仮払いできる上限額の計算式

(ア)相続開始時の預貯金の金額 × 1/3 × 法定相続分
(イ)1つの金融機関につき150万円
↓
(ア)と(イ)の低い方が上限

計算例

被相続人の預貯金が600万円、相続人が配偶者と子2人の場合に、子の一人が仮払いを請求する場合:

600万円 × 1/3 × 1/4(子の法定相続分)= 50万円
→ 150万円より低いので、50万円が上限

仮払いに必要な書類(金融機関に確認が必要)

  • 被相続人の死亡を証明する戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 仮払いを請求する相続人の印鑑証明書
  • 本人確認書類

注意点

遺産分割が確定する前に亡くなられた方の預貯金を使った場合、すべての財産を引き継ぐことを承認したとみなされます(単純承認)。この場合、のちに遺産に多額の借金や保証人の事実などが見つかっても、相続放棄ができなくなります。ただし、葬儀費用のうち債務控除として認められている範囲での利用であれば該当しません。

保険金・葬祭費・相続財産で工面する方法

生命保険の死亡保険金

指定受取人が定められている場合、死亡保険金は相続財産に含まれず受取人固有の財産として速やかに受け取れます。

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葬儀費用の支払いに使いやすい財源です。

保険証券を確認し、保険会社に請求手続きを行います。多くの場合、申請から1〜2週間で入金されます。

葬祭費・埋葬料の給付金

葬儀費用の一部を補助する公的な給付金制度があります。

制度支給額の目安申請先
健康保険の埋葬料5万円協会けんぽ・健保組合
国民健康保険の葬祭費1〜7万円(自治体により異なる)市区町村
後期高齢者医療の葬祭費3〜7万円(自治体により異なる)市区町村

申請期限(多くは2年)があるため、早めに手続きしてください。

払うお金がないときの直葬という選択

家族の誰も費用を用意できず、故人の口座も使えない状況では「直葬」という選択肢があります。

直葬とは、通夜・告別式を行わず、火葬のみを行う最もシンプルな葬儀形式です。費用は10〜30万円程度まで抑えられます。

ただし以下の点に注意が必要です。

  • 親族・知人が弔意を示す機会がなくなる
  • 後から「なぜ葬儀をしなかったのか」と批判を受けることがある
  • お寺の檀家である場合は事前に相談が必要

生活保護受給者の場合は「葬祭扶助」という制度があり、費用が公費で賄われます(申請が必要)。


第4章:後見人は葬儀費用を払える?

成年後見人ができること・できないこと

後見人として被後見人の葬儀費用を支出する場面は、実務上必ずといっていいほど発生します。しかしここには重要な法的問題があります。

後見人の権限は被後見人の死亡と同時に終了します。

つまり、被後見人が亡くなった瞬間に後見人の権限はなくなります。その後に後見人として葬儀費用を支出することは、原則として権限外の行為です。

生前に費用を支出する場合

被後見人が生存中に葬儀の生前予約や見積もり取得のために費用を支出することは、財産管理の一環として認められる場合があります。ただし家庭裁判所への報告が必要です。

死亡後に費用を支出する場合

後見人の権限は終了しているため、死亡後の葬儀費用は後見人ではなく相続人が負担するのが原則です。後見人が一時的に立て替えた場合は、相続人に請求できます。

後見人が関わる葬儀でトラブルになりやすいケース

私が後見人として経験した中で、葬儀費用に関してトラブルになりやすいケースをお伝えします。

ケース①:相続人が遠方で連絡が取れない

被後見人に身寄りが少ない場合、死亡後すぐに相続人に連絡できないことがあります。その間の遺体の安置費用・葬儀社との交渉を誰が担うかが問題になります。

私のケースでは、後見人として施設から連絡を受け、実務上の窓口として葬儀社と交渉しましたが、費用の支出については相続人の判断を待ちました。

ケース②:費用の立替と相続人への請求

後見人が善意で葬儀費用を立て替えた場合、後から相続人に請求できます。ただし、請求書・領収書を全て保管しておくことが必須です。

ケース③:家裁への最終報告と費用の扱い

後見人の業務が終了する際、家庭裁判所への最終報告書を提出します。

葬儀費用を被後見人の財産から支出した場合、その内容を報告書に記載する必要があります。生前に必要な費用であったことを明確に説明できるよう、記録を残してください。

生前契約・信託・遺言書で費用を指定しておく方法

最もトラブルが少ないのは、本人が元気なうちに以下の準備をしておくことです。

葬儀の生前予約(生前申込)

本人が葬儀社と事前に契約し、費用を支払っておく方法です。認知症が進む前に希望の葬儀内容と費用を決めておけます。

家族信託

受託者(家族)に財産管理を任せる仕組みで、委託者(本人)の死後の葬儀費用として一定額を信託財産として確保しておくことができます。

遺言書への記載

遺言書に「葬儀費用として○○円を○○に支出すること」と記載することで、相続人間の合意なしに費用の支出根拠を作ることができます。


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第5章:相続人・兄弟・配偶者で費用を分担するルール

相続人が複数いる場合の負担割合

相続人が複数いる場合、葬儀費用の負担割合は法律で定められていません。原則として当事者間の話し合いで決めます。

実務上よく見られるパターン:

① 喪主が全額負担・遺産分割で精算

喪主が立て替えて支払い、遺産分割協議の際に「葬儀費用として支出した分を遺産から先取りする」と合意する方法です。最も一般的ですが、他の相続人の合意が必要です。

② 法定相続分で按分

相続人全員が法定相続分に応じて費用を分担する方法です。公平に見えますが、費用の計算と請求の手間がかかります。

③ 喪主が全額負担・他は不参加

喪主が費用を全額負担し、他の相続人には請求しない(または相続分を多くすることで調整する)方法です。相続人間で合意できれば最もシンプルです。

兄弟・子ども・配偶者の負担義務の考え方

法律上は、誰が葬儀費用を負担しなければならないという強制的な規定はありません。扶養義務(民法877条)は生存中の扶養に関するもので、死亡後の葬儀費用には直接適用されません。

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ただし慣習として:

  • 配偶者が存命なら喪主として費用を負担することが多い
  • 配偶者が先に亡くなっていれば、子どもが費用を分担することが多い
  • 兄弟間では「どちらが多く介護したか」「誰が同居していたか」という実態によって不満が生じやすい

揉めないための協議・領収書作成の注意点

費用をめぐるトラブルを防ぐために必ずやるべきこと:

① すべての領収書を保管する

葬儀社・斎場・飲食・返礼品・寺院——すべての支出に対して領収書を受け取り、保管します。後の遺産分割協議で費用精算するときの根拠になります。

② 費用負担の合意を文書で残す

「長男が全額負担する」「法定相続分で按分する」という合意を口頭だけでなく、LINEやメール等で文書として残しておきます。

③ 葬儀前に主要な相続人で合意する

葬儀の規模・費用の目安・負担方法について、葬儀前に主要な相続人で話し合っておきます。葬儀後に「こんな費用知らなかった」「こんな規模にするとは思わなかった」という不満が生じやすいです。


第6章:遺言書・遺産分割が費用負担に与える影響

遺言書に葬儀費用の指定がある場合の扱い

遺言書に「葬儀費用として○○円を指定する」という記載がある場合、相続人はその内容を尊重する必要があります。ただし遺言書に法的拘束力があるのは財産の処分に関する部分であり、葬儀の内容や費用負担を強制する効力は限定的です。

遺言書に葬儀費用の記載がある場合の手順:

  1. 遺言書の内容を全相続人で共有する
  2. 遺言書の指定に従って費用を確保する
  3. 遺産分割協議で費用精算について合意する

遺産分割協議で葬式費用をどう精算するか

遺産分割協議の場で葬儀費用を精算する際、一般的には以下の方法が取られます。

方法①:費用を負担した相続人の取得分を多くする

「長男が80万円の葬儀費用を立て替えた。そのため遺産分割において長男の取得分を80万円多く認める」という合意をする方法です。

方法②:遺産から先に費用を差し引く

遺産総額から葬儀費用を先に差し引き、残額を法定相続分で分割する方法です。ただし葬儀費用が相続財産から支出できるかは争いがある問題です。

葬儀費用の遺産分割上の扱いは法律上明確ではないため、相続人間で合意することが最も確実な解決策です。

相続税の控除対象になる費用・ならない費用

葬儀費用の一部は相続税の計算において遺産総額から控除できます(債務控除)。

控除対象になるもの

  • 通夜・告別式の費用
  • 火葬・埋葬・納骨の費用
  • 遺体の搬送費用
  • お布施・読経料・戒名料
  • 葬儀に必要な費用として認められるもの

控除対象にならないもの

  • 香典返しの費用
  • 墓石・墓地の購入費用
  • 初七日・四十九日等の法要費用
  • 遺体の解剖費用

相続税の申告が必要な方は、葬儀費用の領収書を必ず保管し、税理士に相談することをすすめます。


第7章:香典は誰のもの?費用負担との関係

香典を葬儀費用に充てることは一般的か

香典は喪主への弔慰金として受け取るものです。

法的には喪主個人の財産であり、相続財産ではありません。

したがって、香典を葬儀費用に充てることは慣習上一般的に行われており、法的にも問題ありません。

ただし、喪主が香典を受け取りながら「葬儀費用は相続人全員で負担すべき」と主張する場合、他の相続人から「香典を葬儀費用に充てるべき」と反論されることがあります。

家族葬では香典の有無で総額がどう変わるか

家族葬は参列者が少ないため、香典収入も少なくなります。

一般葬での香典平均:約82万円
家族葬での香典平均:約33万円

この差約50万円が、費用を抑えたつもりの家族葬でも「実質負担が思ったより多かった」と感じる原因の一つです。

家族葬の規模を決める際は、香典収入の見込みも含めて実質的な負担額を計算することをすすめます。

香典返し・接待費を含めた実質負担額の見方

葬儀費用の総額から香典収入を差し引いた「実質負担額」で考えることが重要です。

実質負担額 = 葬儀総費用 − 香典収入

例:
家族葬総費用:105万円
香典収入:33万円
実質負担額:72万円

さらに香典返しの費用(香典金額の半額程度が目安)が加わります。


第8章:費用をめぐるトラブルと専門家への相談目安

典型的なトラブル事例

「長男だけに費用請求が来た」

葬儀社が「長男が喪主だから」という理由で長男のみに請求するケースがあります。他の相続人と費用分担の合意をしておかなかったことで、後から費用負担をめぐって揉めるケースです。

「誰が払うか決まらない」

相続人間で費用負担について事前に話し合っていなかった場合、葬儀後に「私は聞いていない」「なぜ私が払わなければならないのか」という問題が起きます。葬儀費用は急ぎで支払いが必要になるため、揉めている時間的余裕がないことが多いです。

「こんな規模の葬儀にするとは思わなかった」

喪主が独断で大きな規模の葬儀を行い、その費用を後から他の相続人に請求するケースです。事前の合意なしに費用請求することへの反発が生じます。

葬儀社との見積もり・追加請求トラブル

「一式」表示の落とし穴

葬儀社の見積もりには「〇〇一式:◻◻万円」という表示がよくあります。しかし「一式」の中身が何を含むかを確認しないと、後から「棺は別途」「ドライアイス代は別途」という追加請求が来るケースがあります。

見積もりを取る際は以下を確認してください:

  • 一式の内訳を全て明記させる
  • 追加料金が発生する条件を確認する
  • 複数社から相見積もりを取る

口頭での変更が後から問題になる

葬儀当日に「やっぱりこれも追加してほしい」という変更を口頭で依頼し、後から高額請求が来るケースがあります。変更は書面または書面に準じる形(メール・LINE)で確認することをすすめます。

専門家に相談すべきタイミング

以下のいずれかに当てはまる場合は、弁護士・司法書士への相談を検討してください。

  • 相続人間で費用負担について合意できない
  • 葬儀社からの請求内容に不審な点がある
  • 後見人として費用を支出した際の家裁への報告内容に疑問がある
  • 遺産から費用を精算する際の税務的な扱いが分からない
  • 相続放棄を検討しているが、葬儀費用を仮払いで出してしまった

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第9章:後悔しないための事前準備

生前に相場を比較・家族葬を安く行う準備

葬儀費用を抑えるために最も効果的なのは事前準備です。急いで葬儀社を選ぶと費用が不透明なまま契約してしまうことがあります。

費用を抑えるための具体的な方法

  • 複数の葬儀社から事前に見積もりを取る(相見積もり)
  • 通夜を省略した「一日葬」を検討する(費用目安:87.5万円)
  • 会食(通夜振る舞い・精進落とし)を省略する
  • 祭壇のグレードを抑える
  • 公営の火葬場・斎場を使用する(民間より安いことが多い)
  • 直葬(火葬のみ)にする(費用目安:10〜30万円)

葬儀社によって同じ内容でも数十万円の差が出ることがあります。

急いで1社に決めず、必ず複数社を比較してください。

保険加入・受取人指定・事前相談で負担を減らす

生命保険の受取人指定の確認

死亡保険金は受取人固有の財産として相続財産と切り離されます。指定受取人が速やかに受け取れるため、葬儀費用の財源として活用しやすいです。

親が生命保険に加入しているか、受取人が誰に指定されているかを今のうちに確認してください。

家族信託・任意後見の検討

認知症が進む前に家族信託を設定しておけば、死後の葬儀費用として一定額を受託者(家族)が管理できます。成年後見制度のような費用・制約が少なく、柔軟に財産管理できます。

家族で合意しておきたい費用・喪主・規模の決め方

今日から家族で話し合っておくべきこと:

□ 誰が喪主を務めるか
□ 家族葬か一般葬か(規模の方針)
□ 費用の目安はどのくらいか
□ 費用は誰がどう負担するか
□ 生前予約・葬儀社の事前選定
□ お布施・宗教的な希望
□ 故人の意向(エンディングノートの確認)

この話し合いを「縁起でもない」と先送りにすると、いざというときに揉める可能性が高くなります。元気なうちに話し合いの場を設けることが、最も費用トラブルを防ぐ方法です。


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よくある質問

Q. 家族葬の費用は相続財産から払えますか?

A. 「相続預貯金の仮払い制度」を使えば、遺産分割前でも一定額まで故人の口座から引き出して葬儀費用に充てることができます。上限は「相続開始時の預貯金残高×法定相続分×1/3」または1金融機関あたり150万円の低い方です。ただし相続放棄を検討している場合は、仮払いの利用が単純承認とみなされる可能性があるため注意が必要です。

Q. 後見人は葬儀費用を被後見人の財産から払えますか?

A. 後見人の権限は被後見人の死亡と同時に終了します。そのため死亡後の葬儀費用は後見人ではなく相続人が負担するのが原則です。後見人が一時的に立て替えた場合は、相続人への請求が可能です。生前に葬儀費用のために財産を支出する場合は家庭裁判所への報告が必要です。

Q. 口座が凍結されて葬儀代が払えない場合どうすればいいですか?

A. 相続預貯金の仮払い制度を利用してください。金融機関の窓口で必要書類(被相続人・相続人の戸籍謄本・印鑑証明書等)を提出することで、遺産分割前でも一定額まで引き出せます。上限を超える金額が必要な場合は家庭裁判所への申立てが必要です。

Q. 葬儀費用の負担で兄弟と揉めた場合どうすればいいですか?

A. まず領収書等の証拠を全て保管した上で、話し合いを試みてください。話し合いで解決しない場合は、弁護士・司法書士へ相談することをすすめます。遺産分割調停(家庭裁判所)の場で費用精算について決めることも可能です。

Q. 家族葬の費用は相続税の控除対象になりますか?

A. 通夜・告別式・火葬・埋葬・お布施等は相続税の計算における「債務控除」の対象になります。一方、香典返し・墓石・法要費用等は控除対象外です。相続税申告が必要な方は必ず領収書を保管し、税理士に相談してください。

Q. 香典は誰のものですか?

A. 香典は喪主への弔慰金として受け取るものです。法的には喪主個人の財産であり、相続財産ではありません。喪主が香典を受け取り、葬儀費用に充てることは慣習上一般的に行われており、問題ありません。ただし他の相続人との費用分担について事前に合意しておくことをすすめます。


くじら99(元・成年後見人)

300km離れた認知症の親族のため、働きながら家庭裁判所に選任され、成年後見人を3年間務めました。被後見人の死後の葬儀対応・費用処理・家庭裁判所への最終報告まで実際に経験した立場から、「家族葬の費用は誰が払うのか」という問いに直面している方に向けてこの記事を書きました。

※当サイトは個人の実体験に基づく情報提供であり、法的助言ではありません。個別の状況については専門家にご確認ください。本ページのリンクには広告(PR)を含みます。出典:鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査」(2024年)


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