墓じまいを決めたものの、お墓から出てくる遺骨をどうすればいいのか分からない。捨てるわけにはいかないし、家に置いたままでいいのかも不安。そんな状況の方へ。
私は、認知症の叔父の成年後見人を会社員のまま3年務め、叔父が亡くなったあと、菩提寺と何度もやり取りをして墓じまいをしました。改葬の書類を出し、叔父と先祖の遺骨は、合祀の永代供養墓に納めています。この記事では、遺骨の行き先の種類と、どう決めるかの考え方をまとめます。
先に書いておくと、すべての選択肢を調べ尽くしてから決めるのが正解、とは考えていません。ある程度のところで判断して、何を基準にそう決めたかを記録に残す。その線引きの話です。
結論:遺骨は「捨てる」のではなく、行き先を決める
- お墓を継ぐ人がいない、管理を続けられない:合祀・永代供養で納める方法を、まず考える
- 手元に置いて供養したい:手元供養。置き場所と、将来の行き先を家族で決めておく
- 自然に還したい:散骨。親族の理解と、自治体・事業者の決まりを先に確かめる
遺骨の行き先は、大きく3つ

| 行き先 | 中身 | 手続きの注意 | 向く家族 | 使った/調べた |
|---|---|---|---|---|
| 合祀・永代供養墓 | 他の人の遺骨と一緒に、施設が管理・供養する | 他の墳墓・納骨堂に移すので、改葬の許可が要る | お墓を継ぐ人がいない、管理の負担を残したくない | 使った:叔父と先祖の遺骨を納めた |
| 手元供養 | 遺骨を自宅に置いて供養する | 自宅は墓地でも納骨堂でもない。扱いは窓口で確かめる | そばで供養したい、家族の理解がある | 調べた:条文の定義 |
| 散骨 | 粉状にした遺骨を海などにまく | 墓地埋葬法に散骨の規定はない。自治体の決まりと事業者の条件を確かめる | 自然に還したい、親族の理解がある | 調べた:条文、厚生労働省のガイドライン |
費用は、お墓の場所や施設、お寺との関係で大きく変わるため、この表には書いていません。費用の内訳は、別の記事の墓じまい料金の内訳・相場・追加費用の落とし穴にまとめています。
まず押さえる:遺骨を勝手に捨ててはいけない
刑法は、遺骨を損壊し、遺棄し、または領得した者を処罰するとしています(刑法 第190条、2026年10月21日にe-Gov法令検索で確認)。ごみとして出す、庭や山に黙って埋める、といったことは避けてください。
また、墓地埋葬法は、焼骨を埋めてよい場所を墓地に限っています(墓地、埋葬等に関する法律 第4条、同日確認)。遺骨の行き先は、法律の決まりに沿った形で決める必要があります。
合祀・永代供養:お墓を継ぐ人がいないとき
墓地埋葬法では、納めた焼骨を他の墳墓や納骨堂に移すことを「改葬」といい(同法第2条第3項、同日確認)、改葬には市町村長の許可が要ります(同法第5条、同日確認)。永代供養墓に移す場合も、この手続きの対象です。
私は、菩提寺と何度もやり取りをして、改葬の書類を出し、叔父と先祖の遺骨を合祀の永代供養墓に納めました。永代供養の費用は高く感じましたが、交渉して、半額以下になりました(金額は書きません)。
合祀は、ほかの方の遺骨と一緒に納める形が一般的です。そのため、あとから遺骨だけを取り出せない施設が多いので、納める前に、取り出せるかどうかを施設に聞いてください。親族が納得しているかも、先に確かめておきたいところです。
書類の流れや、お寺との話し方については、墓じまいと改葬の違いは?手続き・費用・散骨までと、お墓の名義変更は必要?墓じまいするなら先に確かめることに書きました。
手元供養:自宅で供養するとき
墓地埋葬法の「改葬」は、焼骨を「他の墳墓又は納骨堂」に移すことと定められています(同法第2条第3項)。自宅は墳墓にも納骨堂にも当たらないので、条文の定義からは、改葬の許可の対象にならないと読めます。ただし、運用は市区町村で違うことがあるため、墓じまいの手続きを進める前に、窓口で「自宅で保管する場合の扱い」を聞いておくと安心です。
私は手元供養を選んでいません。選ぶなら、考えておきたいのは、置き場所のほかに、自分の次の世代がその遺骨をどうするかです。手元に置いた遺骨は、いつか行き先を決める時が来ます。家族に、その時の考えを伝えておくと、あとで困りません。
散骨:自然に還したいとき
散骨は、墓地埋葬法に定めがない葬法です。厚生労働省は、散骨事業者向けのガイドラインを公表しています(厚生労働省「散骨に関するガイドライン」、2026年10月21日確認)。上で書いた刑法第190条があるので、遺骨をそのままではなく、粉状にして、節度をもって行うことが前提と考えてください。
市町村によっては、散骨について独自の決まりを置いているところもあります。散骨を考えるなら、事業者の条件と、散骨する場所の自治体の決まりを、先に確かめてください。親族の理解も得ておくことが大切です。私は散骨を選んでいないので、事業者の使い心地などは書けません。
決めるときの基準

- お墓を継ぐ人がいるか:いなければ、管理の負担を残さない行き先を中心に考える
- あとで取り出したいか:合祀は取り出せない施設が多い。取り出す可能性があるなら、別の形を検討する
- 親族が納得できるか:遺骨は気持ちの問題が大きい。決める前に、話せる範囲の親族に伝える
- 管理の手間をどこまで負えるか:遠方なら、通わなくて済むかを見る
- 迷ったら聞いて、記録する:お寺、市区町村の窓口、施設に聞いた内容をメモに残す
調べ尽くしてから決める必要はありません。大事なのは、あとで見直せるように、判断の理由を記録しておくことです。例えば次のようなメモです。
| 残すこと | 書き方の例 |
|---|---|
| 日付と相手 | ○月○日、お寺の住職に電話。墓じまいの意向と遺骨の行き先を相談した |
| 言われたこと | 永代供養墓に納める場合、受入証明書をお寺が出すと回答 |
| 決めたことと理由 | 合祀の永代供養墓に納める。理由は、お墓を継ぐ人がおらず、管理を残したくないため |
| やめたこと | 他の方法の比較は、ここで止めた。理由は、家族が納得したため |
遺骨の行き先を相談するなら

お寺とのやり取り、改葬の書類、遺骨の納め先。遠方で通えない場合は、墓じまいの代行を扱う「墓じまいパートナーズ」(PR)に、自分の場合に何が必要かを聞いてみる方法があります。そのうえで、他の業者や石材店にも話を聞いて、比べてください。
頼み先の違いと、契約前に見るところは、墓じまいの頼み先の選び方|代行業者・石材店・行政書士の違いにまとめています。
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遺骨の行き先も、まずは相談から
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よくある質問
遺骨を自分で処分してもよいですか?
ごみとして捨てたり、無断で埋めたりするのは避けてください。刑法第190条は、遺骨の遺棄などを処罰の対象にしています。迷う場合は、お寺や市区町村の窓口、専門家に相談してください。
合祀したあと、遺骨を取り出せますか?
施設によって違いますが、ほかの方の遺骨と一緒になるため、取り出せない施設が多いです。納める前に、施設に確かめてください。
遺骨の一部だけ手元に残せますか?
一部だけ手元に残す場合の扱いは、私は確かめていません。納め先の施設やお寺、市区町村の窓口に聞いてください。
親族の意見が割れています。
遺骨は気持ちの問題が大きく、意見が割れやすいところです。決める前に、いつ、誰に、何を伝えたかを記録に残してください。話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所や専門家への相談も考えてください。
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※この記事は一般的な情報で、法律の助言ではありません。改葬の許可や、遺骨の自宅保管・散骨の扱いは、市区町村と墓地の管理者によって違います。手続きの前に、市区町村の窓口と墓地の管理者に確かめ、判断に迷う場合は行政書士や弁護士などの専門家にご相談ください。
この記事を書いた人:くじら99(元・成年後見人)
300km離れた認知症の叔父の成年後見人を、家庭裁判所に選ばれて、会社員のまま3年務めました。法律の専門家ではありません。家庭裁判所に出した書類や見積書など、記録が残っていることを書いています。運営者について

