実家じまいの片付けはいつから始める?業者の選び方と費用を抑えるコツを元・後見人が解説

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「実家を片付けなきゃいけないのは分かっている。でも、何から手をつければいいのか分からない」

親が施設に入った、あるいは亡くなった。空き家になった実家には数十年分の荷物が残っている。仕事も家庭もある中で、遠方の実家に何度も通わなければならない——この状況で「まず何をするか」を判断するのは、想像以上に難しいことです。

私は成年後見人として3年間、300km離れた親族の財産管理を担当しました。本人が施設に入所した後、空き家になった実家の片付けも自分で進めました。働きながら、月に1〜2回しか現地に行けない状態での片付けです。

この記事では、片付けを始めるタイミング、自分でやるか業者に頼むかの判断基準、そして業者選びで失敗しないためのポイントを、実体験をもとに整理します。

【この記事でわかること】
・実家じまいの片付けはいつから始めるべきか
・片付けにかかる期間と全体の流れ
・自分でやるか業者に頼むかの判断基準
・自分で片付ける場合の進め方とコスト削減術
・業者の種類と料金相場(間取り別)
・悪質業者を避けるためのチェックポイント
・遠距離で実家を片付けた実体験
・完了までのチェックリスト

くじら99

この記事を書いた人:くじら99(元 成年後見人)

遠方(300km以上)に住む認知症の親族のため、働きながら家庭裁判所に選任され成年後見人を務めた経験を持つ会社員。

免責事項

当サイトは個人の成年後見業務の実体験に基づく情報提供であり、法的なアドバイスを行うものではありません。個別具体的な手続きについては、弁護士・司法書士などの専門家や管轄の家庭裁判所等へご相談ください。

第1章:実家じまいの片付けはいつから始めるべきか

1-1. 「期限がある場合」と「ない場合」で優先度が変わる

まず自分の状況が、どちらに当てはまるかを確認してください。

状況期限優先度
賃貸物件・借家だった退去日まで(1〜2ヶ月が多い)最優先。即着手
売却が決まっている引き渡し日まで高い
解体が決まっている工事日まで高い
相続税の申告が必要相続開始から10ヶ月以内財産把握を優先
持ち家で期限なしなし自分のペースで可

期限がある場合、迷っている時間はありません。特に賃貸物件は、片付けが終わらないまま家賃だけが発生し続ける事態になります。この場合は最初から業者への依頼を前提に動いてください。

1-2. 四十九日を待つ必要はあるのか

「四十九日が過ぎるまで遺品に手をつけてはいけない」という決まりはありません。宗教的な義務ではなく、慣習です。

実際には、親族が集まる四十九日法要のタイミングに合わせて形見分けや方針の話し合いをする家庭が多いため、結果的に「四十九日以降に本格着手」というケースが一般的になっています。

ただし、期限がある場合は待つ必要はありません。先にやるべきは「重要書類の確保」です。これは四十九日を待たずに、できるだけ早く行ってください。

1-3. 親が元気なうちに始める「生前整理」という選択

最も負担が少ないのは、親が元気なうちに一緒に片付けることです。

  • 「これは何?」「これは必要?」を本人に聞ける
  • 捨てるかどうかの判断を本人に委ねられる(罪悪感が生まれない)
  • 貴重品・重要書類の場所を本人から教えてもらえる
  • 時間をかけて少しずつ進められる

私が後見人として片付けたときに最も苦労したのは、「これは何なのか、本人に聞けない」という状態でした。判断能力が失われた後では、書類の意味も、品物の価値も、本人の思い入れも、すべて推測するしかありません。

帰省のタイミングで「押し入れの整理、手伝おうか」と声をかけるだけでも、将来の負担は大きく変わります。

1-4. 先延ばしにするほど費用が増える理由

⚠️ 放置期間が長くなると起きること

  • 固定資産税・光熱費の基本料金が発生し続ける
  • 湿気・カビ・害虫が発生し、片付け作業の難易度が上がる
  • 雨漏りや破損が進み、修繕費が発生する
  • 特殊清掃が必要な状態になると費用が跳ね上がる
  • 相続空き家の3,000万円特別控除の期限(相続開始から3年を経過する年の12月31日)を逃す

「いつかやろう」の期間そのものが、コストになります。

第2章:片付けの全体像と所要期間

2-1. 実家じまいの片付け 7ステップ

  1. 重要書類・貴重品の確保:通帳・印鑑・権利書・保険証券・現金・過去帳
  2. 家族で方針を共有:誰が何をやるか、費用をどう負担するかを決める
  3. 形見分けの品を選ぶ:親族が集まるタイミングで決める
  4. 仕分け(必要・保留・処分):部屋ごとに進める
  5. 買取・売却できるものを分ける:査定に出す
  6. 不用品の処分:自治体の粗大ゴミ/業者依頼
  7. 清掃:売却・賃貸に出す場合はハウスクリーニング

順番を守ることが重要です。特に①を飛ばして④から始めると、通帳や権利書を誤って処分するリスクがあります。

2-2. 間取り別の所要期間の目安

間取り自分で行う場合業者に依頼した場合
1R・1K2〜5日半日〜1日
2DK・2LDK1〜2週間1〜2日
3LDK3週間〜1ヶ月2〜3日
一戸建て(4LDK以上)1〜3ヶ月2〜4日
物置・蔵がある一戸建て3〜6ヶ月3〜5日

ここでの「自分で行う場合」は、連続して作業できる前提の日数です。週末だけ・月1回だけしか行けないなら、実際にはこの数倍の期間がかかります。

私の場合、月1〜2回の訪問で一戸建てを片付けたため、実質的に半年以上かかりました。

2-3. 最初にやるべき「重要書類の確保」

✅ 片付けの前に必ず確保するもの

  • 預貯金通帳・キャッシュカード・印鑑(実印・銀行印)
  • 不動産の権利証(登記識別情報)・固定資産税の課税明細書
  • 生命保険・医療保険の証券
  • 年金手帳・年金証書
  • 遺言書・エンディングノート
  • 過去帳(仏壇の引き出しにあることが多い)
  • 現金(タンス預金・封筒に入った現金)
  • 貴金属・宝石・時計
  • 借用書・ローン契約書(負債の把握に必要)
  • 各種契約書(電気・ガス・水道・携帯・サブスク)

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処分してしまうと相続手続きが止まる書類と、見落としやすい保管場所を15項目にまとめています。
▶ 遺品整理で捨ててはいけないもの15選|相続・手続きに必要な書類と見落としやすい場所

第3章:自分でやるか、業者に頼むかの判断基準

3-1. 自分でやるか業者に頼むかの比較

自分で片付ける業者に依頼する
費用処分費のみ(数万円〜)10〜60万円程度
期間数週間〜数ヶ月1〜4日
体力的負担大きいほぼなし
精神的負担大きい(判断の連続)小さい
思い出の品の確認丁寧にできる立ち会えば可能
交通費往復回数分かかる1〜2回で済む
くじら99

見落としがちなのが交通費と時間のコストです。

遠方の実家に10回通えば、交通費だけで数万円〜十数万円。加えて有給休暇の消費、高速代、宿泊費もかかります。「自分でやれば安い」は、近距離の場合にのみ成立します。

3-2. 業者に依頼すべきケース

  • 実家が遠方で、頻繁に通えない
  • 退去日・引き渡し日などの期限が迫っている
  • 荷物の量が多い(一戸建て・物置や蔵がある)
  • 大型家具・家電の搬出が自分ではできない
  • 2階からの搬出やエレベーターなしの階段がある
  • ゴミ屋敷化している・害虫が発生している
  • 孤独死などで特殊清掃が必要
  • 自分や家族の体力・健康に不安がある
  • 仕事や介護で時間が確保できない

3-3. 「一部だけ業者に頼む」という現実的な折衷案

実は最もコストパフォーマンスが高いのが、この方法です。

作業担当理由
重要書類・貴重品の確認自分他人には判断できない
思い出の品の仕分け自分感情的な判断が必要
小物・衣類の処分自分(少しずつ)時間はかかるが費用は抑えられる
大型家具・家電の搬出業者怪我・建物破損のリスクが高い
大量のゴミの搬出業者自治体の回収では追いつかない
ハウスクリーニング業者売却前は専門的な清掃が必要

自分で先に量を減らしておけば、業者への依頼費用は確実に下がります。見積もりは荷物の量で決まるためです。

第4章:自分で片付ける場合の進め方とコスト削減術

4-1. 部屋ごとに「3分類」で進める

家全体を一度に見ようとすると必ず心が折れます。部屋ごと、押し入れごとに区切って進めるのが鉄則です。

分類は「必要・保留・処分」の3つだけにします。4つ以上にすると判断が止まります。

  • 必要:手続きに使う書類・形見として残すもの・価値のあるもの
  • 保留:今すぐ判断できないもの・感情的に迷うもの
  • 処分:明らかなゴミ・家族全員が同意しているもの

迷ったものはすべて「保留」に入れてください。「捨てなければよかった」という後悔は起きますが、「保留にしておいてよかった」という後悔は起きません。

4-2. 着手する順番|どこから手をつけるか

順番場所理由
1仏壇・タンス・机の引き出し重要書類・現金が出てくる可能性が最も高い
2キッチン・冷蔵庫・食品庫放置すると腐敗・害虫の原因になる
3浴室・洗面所・トイレ判断に迷うものが少なく、達成感が得やすい
4押し入れ・納戸・物置量が多い。体力があるうちに
5衣類・寝具ポケットの確認が必要。量が多い
6写真・手紙・アルバム最も時間がかかる。最後に回す

写真やアルバムは最後にしてください。最初に手をつけると、そこで作業が止まります。実際、多くの方が「アルバムを見始めて半日終わった」という経験をしています。

4-3. 費用を抑える5つの方法

  • 自治体の粗大ゴミ回収を最大限使う:業者に頼むより圧倒的に安い(1点数百円〜2,000円程度)。ただし回収日が限られるため計画的に
  • 燃えるゴミ・資源ゴミは自分で出す:衣類・紙類・雑貨は通常のゴミとして出せば費用ゼロ
  • 買取に出す:貴金属・時計・カメラ・楽器・骨董品・切手・古銭は思わぬ値がつくことがある
  • 家電リサイクル法対象品は指定引取場所へ:エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は自分で持ち込めば収集運搬料が浮く
  • 自分で量を減らしてから見積もりを取る:業者の料金は荷物量で決まるため、事前に減らすほど安くなる

⚠️ 相続放棄を検討中なら、片付けてはいけません
故人に借金がある可能性があり相続放棄を検討している場合、遺品を処分すると「法定単純承認」とみなされ、相続放棄ができなくなることがあります。財産に一切手をつける前に、弁護士・司法書士に相談してください。

4-4. 遠距離で片付ける場合の工夫

  • 行く前にゴミ袋・段ボール・軍手を現地調達の計画を立てる:持参すると荷物になる。近隣のホームセンターを調べておく
  • 粗大ゴミの申込を事前に済ませておく:自治体によっては予約から回収まで2週間かかる。訪問日に合わせて手配する
  • 写真で記録しながら進める:次回訪問時に「どこまでやったか」が分かる
  • 親族との共有はLINEアルバムで:処分してよいか迷うものを写真で共有すれば、その場で判断を仰げる
  • 1回の訪問で「1部屋を終わらせる」目標にする:全体を進めようとすると達成感がなく続かない

「自分では限界」と感じたら、まず相場を知る

依頼するかどうかは後で決めて構いません。最大5社から一括見積もりを取れば、自分の実家がいくらで片付くのかが分かります。金額を知ってから「自分でやるか任せるか」を判断する方が確実です。

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第5章:実家じまい業者の種類と料金相場

5-1. 業者の種類と得意分野

業者の種類得意分野向いているケース
遺品整理業者仕分け・供養・買取・清掃まで一括故人の遺品整理。丁寧な対応を求める場合
不用品回収業者とにかく運び出す仕分け済みで、処分だけしたい場合
特殊清掃業者孤独死・害虫・臭気の除去状態が悪い物件
ハウスクリーニング業者売却・賃貸前の清掃片付け後の仕上げ
解体業者建物の解体更地にして売却する場合
一括見積もりサービス複数社の比較相場が分からない・業者選びが不安な場合

5-2. 間取り別の料金相場

間取り作業人数料金相場
1R・1K1〜2名3〜8万円
1DK・1LDK2〜3名5〜12万円
2DK・2LDK2〜4名9〜25万円
3DK・3LDK3〜5名15〜40万円
4LDK以上・一戸建て4〜8名22〜60万円
くじら99

あくまで目安です。

実際の金額は荷物の量・階数・エレベーターの有無・搬出経路・トラックの駐車場所によって大きく変動します。

5-3. 追加費用が発生しやすい項目

  • 階段作業費:エレベーターがない2階以上の場合、1フロアごとに加算されることがある
  • 駐車料金:トラックを停める場所がなくコインパーキングを使う場合
  • 家電リサイクル料金:エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は別途
  • 特殊清掃費:臭気・害虫・汚損がある場合
  • 仏壇の供養費:オプション扱いの業者が多い
  • 金庫・ピアノ・大型金属:特殊搬出として別料金
  • 庭木・物置の撤去:屋外は別見積もりのことが多い

見積もり時に「これ以外に追加費用は発生しますか」と必ず確認し、書面に残してもらってください。

第6章:【重要】悪質業者を避けるための業者選び

6-1. なぜこの業界に悪質業者が紛れ込むのか

正直に言うと、遺品整理・不用品回収の業界には注意すべき業者が一定数存在します。理由は構造的なものです。

  • 参入障壁が低い:必須の国家資格がなく、トラックと人手があれば始められる
  • 依頼者が比較しにくい:急いでいる・悲しみの中にある・相場を知らない、という3条件が重なる
  • 作業が密室で完結する:部屋の中で何が起きているか依頼者は確認できない

実際に報告されているトラブルには、貴重品の抜き取り、見積もりから大きく乖離した追加請求、不法投棄、前払い後の音信不通などがあります。

6-2. 危険な業者のサイン

⚠️ こんな業者には依頼しない

  • 現地を見ずに電話口で極端に安い金額を即答する
  • 「今日中に決めれば安くする」と契約を急かす
  • 作業前に全額前払いを求める
  • 会社の住所・固定電話がウェブサイトに明記されていない
  • 一般廃棄物収集運搬の許可を持っていない
  • 見積書を書面で出さず「一式○○円」で済ませる
  • 追加費用の条件を説明しない
  • 「無料回収」を謳って街を巡回している

特に「無料回収」を謳う巡回車には注意してください。トラックに積んだ後で高額な作業費を請求されたり、不法投棄されて依頼者が責任を問われたりする事例があります。

6-3. 信頼できる業者を見分ける5つのポイント

✅ 安全な業者を見分けるポイント

  • 一般廃棄物収集運搬の許可を持っている:家庭から出る廃棄物の運搬には自治体の許可が必要。許可がない業者は不法投棄のリスクがある
  • 遺品整理士が在籍している:一般社団法人遺品整理士認定協会の資格。倫理規定があり、貴重品の報告義務を負う
  • 書面で見積書を出す:作業内容・料金・追加費用の条件が明記されているか
  • 必ず現地見積もりをする:電話やメールだけで金額を確定する業者は避ける
  • 支払いは作業完了後:全額前払いを求めない

6-4. 相見積もりは最低3社取る

1社だけの見積もりでは、その金額が高いのか安いのか判断できません。同じ物件で3社に見積もりを取ると、10万円以上の差が出ることは珍しくありません。

ただし遠方の実家の場合、3社に個別連絡して立ち会うのは現実的ではありません。一括見積もりサービスを使えば、1回の申込で複数社の料金を比較できます。相場を把握するだけでも使う価値があります。

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第7章:【実体験】300km離れた実家を片付けた記録

7-1. 月1〜2回しか行けない状況で始まった片付け

私が担当したのは、片道300km離れた親族の実家でした。本人が施設に入所し、空き家になった家をどうするか——それが後見人としての課題になりました。

仕事は続けていたため、現地に行けるのは有給を取った日か、土日を使った日帰り・1泊のみ。新幹線で移動し、駅でレンタサイクルを借りて実家へ向かう。そこから数時間作業して、また帰る。この繰り返しでした。

7-2. 想定と現実のギャップ

最初は「数回行けば終わるだろう」と思っていました。実際には、まったく違いました。

  • 1回の訪問で終わるのは、押し入れ1つ分程度だった
  • 荷物を「捨てる」と決めても、その日のうちに搬出できない(粗大ゴミの回収日が合わない)
  • 作業した分のゴミが家に溜まり、次回訪問時にまた運び出す作業から始まる
  • 暑い時期・寒い時期は作業効率が極端に落ちる
  • 「これは何だろう」という書類の判断に時間を取られる

結果として、片付けだけで半年以上かかりました。

7-3. 最も大変だったのは「判断」だった

体力的にきついのは事実ですが、本当に消耗したのは「捨てていいのかどうか」を一人で判断し続けることでした。

後見人という立場上、本人の財産を勝手に処分することはできません。

価値があるかもしれないもの、手続きに必要かもしれない書類、本人が大切にしていたかもしれない品——そのすべてを、本人に確認できない状態で判断しなければなりませんでした。

しかも後見人には家庭裁判所への定期報告義務があるため、支出も処分も記録に残す必要がありました。領収書を保管し、何をいくらで処分したかを記録する。この事務作業が、片付けと同じくらいの負担でした。

7-4. 今なら業者に頼む。その理由

当時を振り返って思うのは、「大型のものだけでも業者に頼めばよかった」ということです。

  • 交通費・宿泊費を10回分積み上げると、業者費用と大差なかった
  • 有給休暇を大量に消費した(金額に換算すればさらに大きい)
  • 半年間、常に「片付けが終わっていない」というストレスを抱えていた
  • 放置していた期間に屋根の一部が破損し、修繕費が発生した

【実体験からの結論】
書類と思い出の品の仕分けは、自分でやるしかありません。これは他人には判断できないからです。
しかし「運び出す作業」は、業者に任せていい仕事です。ここを自分でやろうとしたことが、期間を長引かせた最大の原因でした。

第8章:片付け完了までのチェックリスト

8-1. 着手前のチェック

✅ 片付けを始める前に確認すること

  • 期限があるか確認したか(退去日・引き渡し日・相続放棄の3ヶ月)
  • 相続放棄を検討していないか(検討中なら片付けてはいけない)
  • 家族・相続人全員に方針を共有したか
  • 費用を誰が負担するか合意したか
  • 重要書類・貴重品を先に確保したか
  • 形見分けの希望を親族に確認したか
  • 自治体の粗大ゴミ回収の申込方法を調べたか

8-2. 業者に依頼する場合のチェック

✅ 業者依頼時のチェックリスト

  • 最低3社から見積もりを取ったか
  • 現地見積もりをしてもらったか
  • 一般廃棄物収集運搬の許可を確認したか
  • 遺品整理士の在籍を確認したか
  • 見積書を書面でもらったか
  • 追加費用が発生する条件を確認したか
  • 買取対応の有無を確認したか(費用の相殺になる)
  • 仏壇の供養に対応しているか確認したか
  • 作業当日に立ち会えるか(貴重品発見時の確認のため)
  • 支払いは作業完了後になっているか
  • キャンセルポリシーを確認したか

第9章:実家じまいの片付けで後悔しないために

9-1. 「完璧にやろう」としないことが最大のコツ

実家じまいの片付けで挫折する方に共通しているのが「全部自分で、丁寧に、完璧にやろうとする」という姿勢です。

くじら99

気持ちはよく分かります。

親が大切にしていた家であり、親が使っていた物です。雑に扱いたくない。誰かに任せることに罪悪感がある。しかし、その完璧主義が作業を止め、結果として放置期間を長引かせてしまいます。

大切なのは「全部を大切に扱うこと」ではなく、「本当に大切なものを見落とさないこと」です。

書類と思い出の品さえ確保できていれば、残りは効率を優先していい。そう割り切れた人ほど、片付けは早く終わります。

9-2. 一人で抱え込まないための3つの分散

分散するもの方法
作業の負担大型家具・大量のゴミは業者に任せる
費用の負担相続人で分担する。動く前に合意を書面で残す
判断の負担迷うものは写真で家族に共有し、一人で決めない

特に見落とされがちなのが「判断の負担」です。体力的な負担よりも、「これを捨てていいのか」を延々と一人で決め続けることの方が、精神的には消耗します。

LINEのグループに写真を送って「これ捨てていい?」と聞くだけで、負担は半分になります。そして後から「勝手に捨てた」と言われるリスクもなくなります。

9-3. 片付けの先にあるもの

実家の片付けは、単なる作業ではありません。親の人生を辿り直す時間でもあります。

私も作業中、何度も手が止まりました。子どもの頃の写真、見たことのない親の若い頃の記録、几帳面に取ってあった書類の束。「この家で何十年もの生活があったんだ」と実感する瞬間が、何度もありました。

だからこそ、疲れたら休んでいいと思います。期限がないなら、無理に急ぐ必要はありません。ただし「放置」と「休憩」は違います。いつ再開するかだけは決めておいてください。

✅ この記事の要点まとめ

  • 期限がある場合は即着手。ない場合も放置するほど費用は増える
  • 最初にやるべきは「重要書類・貴重品の確保」
  • 迷ったものはすべて「保留」に。捨てた後悔は取り返せない
  • 写真・アルバムは最後に回す(最初にやると作業が止まる)
  • 遠方なら「仕分けは自分・搬出は業者」が最も効率的
  • 業者は最低3社から現地見積もりを取る
  • 相続放棄を検討中なら、片付けてはいけない
  • 一人で判断せず、写真で家族と共有する

実家じまいは、誰にとっても簡単ではありません。それでも一歩ずつ進めば必ず終わります。この記事が、その一歩を踏み出す助けになれば幸いです。

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よくある質問

Q 実家じまいの片付けはいつから始めればいいですか?

賃貸物件の退去期限や売却の引き渡し日など期限がある場合は即着手してください。期限がない場合も、放置期間が長いほど劣化が進み費用が増えます。四十九日を待つ必要はなく、重要書類の確保だけは最優先で行ってください。理想は親が元気なうちに一緒に整理することです。

Q 一戸建ての片付けを業者に頼むといくらかかりますか?

4LDK以上の一戸建てで22〜60万円程度が目安です。ただし荷物の量・階数・搬出経路・トラックの駐車場所によって大きく変動します。自分で先に量を減らしておくと費用は確実に下がります。必ず現地見積もりを最低3社から取ってください。

Q 自分で片付けるのと業者に頼むの、どちらが得ですか?

近距離であれば自分で片付けた方が安く済みます。ただし遠方の場合、交通費・宿泊費・有給休暇の消費を積み上げると業者費用と大差ないことがあります。書類と思い出の品の仕分けは自分で、大型家具の搬出は業者に、という分担が現実的です。

Q 悪質な業者を避けるにはどうすればいいですか?

一般廃棄物収集運搬の許可があるか、遺品整理士が在籍しているか、書面で見積書を出すか、現地見積もりをするか、支払いが作業完了後かの5点を確認してください。現地を見ずに極端に安い金額を即答する業者、契約を急かす業者、全額前払いを求める業者は避けるべきです。

Q 相続放棄を検討中ですが、片付けても大丈夫ですか?

片付けてはいけません。遺品を処分すると「法定単純承認」とみなされ、相続放棄ができなくなる可能性があります。相続放棄の期限は相続を知った日から3ヶ月以内です。財産に一切手をつける前に、弁護士または司法書士に相談してください。

Q 遠方の実家で、何度も通えません。どうすればいいですか?

1回の訪問で重要書類と思い出の品だけを確保し、残りの搬出は業者に依頼するのが最も効率的です。多くの業者は立ち会いなしでの作業にも対応しています。写真での作業報告をしてくれる業者を選ぶと安心です。

Q 片付けにはどのくらいの期間がかかりますか?

連続して作業できる前提で、一戸建てなら自分で1〜3ヶ月、業者に依頼すれば2〜4日が目安です。ただし週末だけ・月1回だけしか通えない場合は、実際にはこの数倍の期間がかかります。私の場合、月1〜2回の訪問で半年以上かかりました。

この記事を書いた人

くじら99(元・成年後見人)

300km離れた認知症の親族のため、働きながら家庭裁判所に選任され成年後見人を3年間務めました。本人の施設入所後、空き家になった実家の片付けを月1〜2回の訪問で半年以上かけて実施。家庭裁判所への報告のため、処分した物と費用をすべて記録に残しながら進めた経験があります。

後見人3年間(家庭裁判所選任) 遠距離300kmの実家片付けを実務で経験 空き家管理・売却・相続まで対応

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