墓じまいで遺骨を納め終えた。けれど、お墓の区画の扱い、手元に残る書類、家の仏壇、これからのお参り。「このあと、何かやり残していないだろうか」と不安になっている方へ。
私は、認知症の叔父の成年後見人を会社員のまま3年務め、叔父が亡くなったあと、菩提寺と何度もやり取りをして墓じまいをしました。改葬の書類を出し、叔父と先祖の遺骨は、合祀の永代供養墓に納めています。家の片付けでは、仏壇が最後まで残りました。
先に書いておくと、墓じまいのあとを一つ残らず完璧にやるのが正解、とは考えていません。墓じまいしたあとに確かめることを絞り、どこまで確かめて、何を基準にやめたかを記録に残す。この記事はその線引きの話です。
結論:あとから困りやすいのは4つ

| 確かめること | 何を見るか | 聞く先 |
|---|---|---|
| 墓地の返還と管理料 | 更地にして返したか、管理料がいつまでか | 墓地の管理者(お寺・霊園・市区町村) |
| 書類の控え | 改葬の許可証、納め先とのやり取りの控えがあるか | 自分で整理する |
| 仏壇・位牌 | 家に残したままになっていないか | 菩提寺、仏壇店、家族 |
| お参り | 納め先で、いつ、どこに参れるか | 納め先の施設 |
墓地の返還と管理料:更地にして、廃止の届けを出す
遺骨を取り出したあとのお墓の区画は、墓地の管理者に返すのが一般的です。進め方は管理者ごとに違うので、例として仙台市の市営霊園の案内を見ます。
| 返還の条件 | 自費で更地の状態に戻し、墓園管理事務所からその旨の証明を受ける。遺骨が残っているときは、先に改葬の手続きが必要 |
|---|---|
| 出す書類 | 霊園使用廃止届(更地の証明を付ける)、墓園使用許可証(原本)、印鑑登録証明書(原本、3か月以内)など |
| 永代使用料 | 返還しても戻らない。ただし、許可を受けて3年以内の返還なら半額が戻る |
| 管理料 | 更地にして廃止届を出した月の分まで払う。年度分を払い済みなら、使わなかった月分は月割りで戻る |
お寺の墓地や民営の霊園では、規則も費用の戻り方も違います。確かめたいのは次の3点です。
- 更地に戻した証明が要るか:誰が、どの書面で確認するのか
- 使用廃止の届けが要るか:出すまで管理料の請求が続くことがあります
- 管理料はいつの分までか:精算の日付を、書面かメールで残してもらう
私の場合の、返還の細かい手続きやお金の動きは、ここには書きません。手続きの前に、管理者へ「更地にしたあと、何を、いつまでに出せば終わりになりますか」と聞いてください。
書類の控え:改葬の許可証と、やり取りの記録
墓地埋葬法では、市町村長が改葬を許可するとき、改葬許可証を交付するとしています(墓地、埋葬等に関する法律 第8条、2026年10月29日にe-Gov法令検索で確認)。この許可証は、遺骨の納め先に出す書類として使うことが多いものです。
納め先に出したあとで「あの書類はどこへ行ったのか」と探すことがないよう、出す前にコピーを撮るか、写真に残すことをおすすめします。私は成年後見人のときから、家庭裁判所に出す書類に番号を振って控えを残してきたので、同じやり方が墓じまいにも向くと考えています。
控えを残したいものは、次のとおりです。
- 改葬許可証の写し、納め先との契約書や領収書
- お寺や霊園に、いつ、誰が、何を言ったかのメモ
- 墓地を返したことが分かる書面(更地の証明、廃止届の控え)
遺骨:納めたあとに変えにくいと知っておく
私は、叔父と先祖の遺骨を、合祀の永代供養墓に納めました。合祀は、ほかの方の遺骨と一緒になるため、あとから遺骨だけを取り出せない施設が多いと言われます。納め終わったあとに「やはり別の場所へ」と考えても、動かせないことがあります。
遺骨の行き先の種類と決め方は、墓じまいの遺骨はどうする?合祀・手元供養・散骨の違いと決め方に書きました。すでに納めたあとなら、行き先の名前と連絡先を、親族が見つけられる場所に書いておくだけで十分です。
仏壇・位牌:急がず、決めた理由を残す

叔父の家を片付けたとき、最後まで残ったのが仏壇でした。過去帳はありませんでした。通帳や権利証は後見人の仕事としてすでに管理していたので、家の整理の段階で過去帳まで探す必要はないと判断しました。
仏壇は、お墓と違って、片付けないでも誰かに迷惑がかかることは少ないものです。だからこそ後回しになり、そのまま残りやすいと感じました。墓じまいが済んだなら、仏壇も「いつまでに、誰が決めるか」だけ先に決めておくと、気持ちが軽くなります。
仏壇じまいの手順や費用は、実家の仏壇どうする?仏壇じまいの費用と手順にまとめています。位牌の扱いは、私は確かめていません。菩提寺や納め先に、そのまま納められるか、別に供養するかを聞いてください。
お参り:納め先で、いつ、どこに参れるかを聞く
墓じまいをしても、お参りの気持ちがなくなるわけではありません。納め先ごとに、参拝できる時間、参る場所(合同の碑の前、納骨堂など)、お花や線香の扱いが違います。納める前か直後に、次の3つを聞いておくと迷いません。
- 参拝できる曜日と時間
- お花・線香・供物を持ち込んでよいか
- 命日やお盆に、合同の法要があるか
判断の基準:終わりにする線を決めて、記録に残す

墓じまいのあとは、急ぎの期限がないものが多く、いつまでもやり残し感が続きます。そこで、判断の理由を記録しながら、ある程度のところで終わりにします。例えば次のようなメモです。
| 残すこと | 書き方の例 |
|---|---|
| 終わったこと | ○月○日、墓地を更地にして返還。管理料は○月分まで精算 |
| 手元の書類 | 改葬許可証の写し、納め先の領収書は、ファイルの○番に保管 |
| あとに回したこと | 仏壇は○月までに家族で決める。理由は、片付けに時間が取れないため |
| 確かめずにやめたこと | 位牌の扱いは、納め先に聞いて「そのままで構わない」と言われたので、ここで止めた |
お寺との話し合いや改葬の書類を、一人でやり切るのが難しいと感じたら、専門家に頼るのも一つの方法です。遠方のお墓で通えない、平日に動けないといった場合は特にそうです。
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頼み先の違いは、墓じまいの頼み先の選び方|代行業者・石材店・行政書士の違いにまとめています。
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墓じまいの手続きを、ひとりで抱えない
お寺とのやり取り、改葬の書類、遺骨の行き先。遠方のお墓だと、何度も通うのは大変です。墓じまいの代行を相談できる「墓じまいパートナーズ」に、自分の場合に何が必要かを聞いてみるのも一つの方法です。
よくある質問
墓じまいのあと、管理料はいつまで払いますか?
墓地の管理者によって違います。仙台市の市営霊園では、更地にして廃止届を出した月の分までです(2026年10月29日確認)。お寺や民営の霊園は、規則で確かめてください。
改葬許可証は、納めたあとも取っておくべきですか?
保管の期間に決まった目安があるかは、私は確かめていません。納め先に出す前にコピーや写真で控えを残し、原本が戻るのか、納め先で預かるのかを、その場で聞いておくと安心です。
合祀したあと、遺骨は取り出せますか?
ほかの方の遺骨と一緒になるため、取り出せない施設が多いです。施設によって違うので、納める前に確かめてください。
仏壇や位牌は、墓じまいと同時に片付けないといけませんか?
期限はありません。私も、仏壇は家の片付けの最後まで残りました。急がずに、いつまでに誰が決めるかだけ先に決めておくのがおすすめです。迷うときは、菩提寺や仏壇店に聞いてください。
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※この記事は一般的な情報で、法律の助言ではありません。墓地の返還、管理料の精算、納め先でのお参りの決まりは、墓地の管理者や納め先、市区町村によって違います。手続きの前に、それぞれの窓口で確かめ、判断に迷う場合は行政書士や弁護士などの専門家にご相談ください。
この記事を書いた人:くじら99(元・成年後見人)
300km離れた認知症の叔父の成年後見人を、家庭裁判所に選ばれて、会社員のまま3年務めました。法律の専門家ではありません。家庭裁判所に出した書類や見積書など、記録が残っていることを書いています。運営者について

