成年後見人になった私のおはなし

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初めまして、くじら99(@9jira99)と言います。
私は、現在50歳になります。

くじら99

会社では中堅の管理職をしています

生まれ故郷から遠く離れて都会で仕事をしています。
同じような境遇の方も、多いのではないでしょうか。

ところで、みなさんの故郷のご両親・ご親戚はお元気ですか?

私は、両親については幸運にも元気で過ごしています。

でも、体調のこと・今後のことなど、だんだんと心配になってきています。

そんな私が、ある日突然、親戚の成年後見人というお仕事をすることになったのです。

私は成年後見人として、叔父のAさんの法的手続きや債務の支払い、生活の支援を行うことになりました。

その期間は、約3年間。
ちょうどコロナ禍の期間と重なります。

くじら99

このブログでは、私が成年後見人になった経緯、成年後見人になった後の具体的な仕事について詳しく紹介します


今回の経験では以下のことを学びました。

  • 成年後見人という仕事があること
  • 成年後見人の業務は、複雑かつ大変であること
  • 親・親族が認知症になると、家族は本人の財産・生命を守るための手段が限られること
  • 親・親族が認知症になる前に、今後の生活のことなど話をする必要があること

私個人の実体験より、成年後見人のリアルなお話をさせていただこうと思います。

このブログの対象の読者

このブログは、以下の方を対象に書こうと思います。

親・親族と離れて暮らしている方
親・親族と年に数回しか会わないが、今後のことが気がかりな方
成年後見人になる予定の方・すでになっている方
いわゆるおひとり様で自身の将来について心配な方

私は自分自身が成年後見人になったことの経験をとおして、お伝えしたいことがあります。

それは計画的に終活や親の今後について考えることです。

例えば、自分や親が認知症になり、判断能力が低下するなどした場合
どんなことが起きるでしょうか?

  • 介護施設の入居
  • 病院への入院
  • 住んでいる家の管理
  • その他諸々のお金の支払い
くじら99

こういうことが、一度にやってきます

誰かが財産の整理やゴミの掃除、もっと細かいことを言いますと家賃や税金の支払い、電話代金の支払いなどを立て替えたり支払いなど。

くじら99

現実はそういうものだと身をもって経験しました。

現在は親の預貯金・財産について、本人以外の人が行うことに厳しい制限があります。

くじら99

実の息子・娘という理由だけでは、ダメなのです。

同居の家族がいる場合はまだよいです。

  • 離れて暮らすひとり親
  • 家族・社会から孤立している親族
  • いわゆるおひとり様の兄弟

こういう方が、認知症となってしまった場合。

この場合は何らかの制度を利用する形になります。
今回は、法定成年後見人になります。

私は、自分が成年後見人というお仕事をしてわかったこと。何度も言います。

計画的に終活や親の今後について話し合うことが大事!!
このことをお伝えするために、このブログを書きます。

一般人が、仕事をしながらの
成年後見人という仕事が大変だったのです。

個人にはいろいろ事情があります。
もし、私のような境遇の方やお困りの方が、このブログを参考にしてもらったらうれしいです。

いろいろな悩みの解決策として、必要なサービスや制度についてご紹介します。
こんなサービスを活用できていたら、と今更ながら思うことも多かったからです。

少し長いお話になりますが、お付き合いいただければと思います。

2020年秋、コロナ禍真っ只中の出来事

その日、突然の連絡が入りました。

くじら99

私の叔父であるAさんが倒れたという知らせでした

これだけで、驚きの話でしたが、内容はもっと込み入っていました。

どうやら、Aさんは認知の問題を抱えており、周囲の方々に心配やご迷惑をかけている模様。
近隣の方や行政が問いかけをしても対応が難しい状況のようです。

**Aさんのプロフィール**

Aさんは元一部上場企業の会社員であり、世間的には身元がしっかりした方でした。

※これは後からわかったのですが、家族関係には問題があり、現在は完全に一人住まいの状態です。
(ご家族とは、離婚・離縁をしていて孤独な単身住まいだったようです)

**問題行動と措置入院**

地域住民や社会福祉協議会の方々が訪問しても、Aさんは対応を拒否をしているようです。
行政・社会福祉協議会より、私の親・近隣住民など関係者が呼ばれて会議をしたそうです。

その直後とある事件を起こし、警察が呼ばれ最終的には措置入院となってしましました。

くじら99

ところで、措置入院とは?

措置入院:2名以上の精神保健指定医の診察により、精神障害のため自分を傷つけたり他人に危害を加えようとするおそれがあると判断された場合、都道府県知事の権限により措置入院となります。

出典:こころの情報サイトより(https://kokoro.ncnp.go.jp/support_hospitalizatio.php

それまでの間、近隣の方々の好意でなんとか対応してもらっていました。
しかし、限界が来ていたのです。

くじら99

結果としては今回の入院の話により、
物事が前進することにもなりました。

成年後見人制度の利用

行政からは、成年後見人制度を利用して対応することを提案されました。

しかし、地元の関係者は高齢化しています。また、Aさん自身も家族がいない単身の方。
社会的にも孤立していたため、適任者がいませんでした。

そこで、遠方ではあるが、比較的若く成年後見人という仕事ができそうな私に相談が来たのです。

くじら99

この時点では、ことの重大さがわかっていませんでした

成年後見人に選ばれるまでの経緯

成年後見人制度の基本情報

成年後見人制度は、認知症や知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分な人を法律的に支援する制度です。

法的な手続きや日常生活のサポートを行うことで、本人の権利を守ります。

このような制度について、聞いたことはありました。

しかし、詳細については、理解していませんでした。
※自分がなるとも思ってませんでした。

成年後見人になるまでのプロセス

Aさんの状況が悪化したことから、地域住民や社会福祉協議会の方々から私に相談がありました。

何も知らなかったので、まずは制度の勉強です。

法的手続きと裁判所の対応

成年後見人に選ばれるためには、どうしたら良いのでしょうか?

成年後見人の申立書他必要書類を揃え、裁判所に提出する必要があります。

最終的に、家庭裁判所での面談や審査を経て、正式に成年後見人として登録されました。

ところで、あなたは裁判所の手続きを経験したことがありますか?

経験したことがない方が多いのではないでしょうか。

くじら99

私も、もちろん初めての経験になります。

遠距離成年後見人

私が経験した成年後見人としての役割は、一般的なケースと異なる点があります。

くじら99

私とAさんの生活している距離には300キロ以上離れていました。

遠隔地から成年後見人として対応することは、交通費や時間の面で多くの困難を伴いました。

しかし、今後は私のような例が増えてくると考えています。
(地元に適任者がいない、遠くの親戚が対応する等)

債務の把握と支払い

Aさんの財務状況を把握するために、まずは銀行口座や未払いの請求書の発見・整理を行いました。

そこで、わかったこと。
かなりの額の税金や電話料金、その他の支払いが滞っていることが判明しました。

くじら99

公共料金やサービスについて未払いの請求書だらけでした。

不要なサービスの見直し

ご本人Aさんが利用していた不要なサービスを見直しも必要でした。

こちらは根気強く、一つ一つ解約手続きを行うことになります。

くじら99

特に、携帯電話の契約解約は大変な作業でした。

銀行口座の集約と新しい口座の作成

複数の銀行口座がありました。
それなりの金額がある口座、全くお金がない口座。

成年後見人は、財産の管理が大事なお仕事です。
その把握のために、銀行口座のお金をまとめる必要がありました。

安全な管理のために成年後見支援預金と生活用の預金口座を新たに作成することになります。

生活の支援と報告

ショートステイ・特別養護老人ホームへの入所手続き

Aさんは、徘徊等の事案がみられたため、ショートステイに措置入院となりました。

その後、有料老人ホームを経て特別養護老人ホームへの入所になります。
入所できるのもタイミングがあり、かなり時間がかかります。

入所後の生活と定期報告

Aさんが無事に入所した後も、定期的に施設を訪問し生活の状況を確認しました。

くじら99

生活に関する諸々の事案を対応しました。

介護の計画書へのサインや要介護度変更の手続きについて対応をしました。

家庭裁判所へ定期報告や上申

成年後見人の大事な業務として、財産や健康状態などの定期報告があります。

また、大きな財産の処分やお金の移動には、家庭裁判所に上申書でお伺いを立てる必要があります。

くじら99

遠距離ということもあり、時間的に余裕を持った対応が必要でした。

報酬付与申立て

成年後見人としての報酬を申請するため、報酬付与申立ての手続きを行いました。

くじら99

最初のころは、個人の持ち出しも多かったです。

まとめ

この記事では、私が成年後見人としてAさんを支援するきっかけ・概要をご紹介しました。

成年後見人は法的手続きや債務の支払い、生活の支援など多岐にわたる業務があります。

具体的なお話、面倒なことなど、成年後見人だけがわかるリアルな内容をお伝えします。

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このブログは、突然成年後見人になって、いろんな問題をクリアしてきた私が、
実際に経験したこと、苦労したこと、もっと便利に対応できたのは?
ということを、具体的にお伝えいたします。

しかし、成年後見人制度の利用は最終手段と言っても良いものだと思います。

遠く離れた親御さんのことがご心配の方には、家族信託という制度について知りました。
問題が起きる前に、色々決めておくことで、柔軟なサポートができる制度です。

↓ご興味のある方は、確認してみてください↓

成年後見人としての経験を詳しく共有すること。
同じような状況に直面している方々に少しでも役立つ情報を提供できればと思います。

次回は、具体的な成年後見人への申立などの手続きについて詳しく紹介していきます。

くじら99

ではまた。

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