【体験談】成年後見人の家庭裁判所での面談は怖い?聞かれること・服装・当日の流れを徹底解説

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はじめに:「裁判所に呼び出される」という未知の恐怖

こんにちは。元・成年後見人のくじら99(@9jira99)です。

成年後見人の申立てに必要な膨大な書類をなんとか集め終え、家庭裁判所に提出してホッとしたのも束の間。数週間後、あなたの自宅に家庭裁判所から一通の封書が届きます。

そこには、「〇月〇日 〇時に、家庭裁判所へ出頭してください」という面談(審問)の案内が書かれています。

みなさん、これまでの人生で「家庭裁判所」に行ったことはありますか?

「裁判所」という響きだけで、なんだか自分が取り調べを受けるような、怖い印象を抱く方も多いのではないでしょうか。私も当時は「何か少しでも受け答えを間違えたら、後見人になれないのではないか」と、心臓がバクバクしていたことを鮮明に覚えています。

くじら99

でも、ご安心ください。

この記事では、私が実際に経験した家庭裁判所での面談(審問)の様子を、時系列に沿ってリアルにお伝えします。

面談でどんなことを聞かれるのか、どんな服装で行くべきか、そして面談官(参与員・調査官)はどんなチェックをしているのか。これを知っておけば、面談は決して怖いものではありません。

これから面談を控えている方、成年後見人の申立てを検討している方の不安が、少しでも軽くなれば幸いです。

くじら99

この記事を書いた人:くじら99(元 成年後見人)

遠方(300km以上)に住む認知症の親族のため、働きながら家庭裁判所に選任され成年後見人を務めた経験を持つ会社員。

免責事項

当サイトは個人の成年後見業務の実体験に基づく情報提供であり、法的なアドバイスを行うものではありません。個別具体的な手続きについては、弁護士・司法書士などの専門家や管轄の家庭裁判所等へご相談ください。

第1章:面談当日までの準備と「必須の持ち物」

面談当日に慌てないよう、まずは準備しておくべきものと、服装についてお話しします。

裁判所に行くときの「服装」はスーツ?私服?

結論から言うと、「オフィスカジュアル程度の、清潔感のある私服」で全く問題ありません。

私は平日だったため仕事用のスーツで行きましたが、待合室にいた他の方々は、スラックスにシャツ、あるいはきれいめのニットなど、常識的な範囲の私服の方が多かったです。

裁判官や調査官は「あなたが信用できる人物か」を見ていますので、派手すぎる服装や、だらしない格好(サンダルやジャージなど)を避ければ大丈夫です。

当日の持ち物リスト(経験者が語る「あると便利なもの」)

家庭裁判所からの呼出状に記載されている持ち物は、必ず忘れないようにしましょう。

  • 必須の持ち物
    • 呼出状(家庭裁判所から届いた封書)
    • 印鑑(※シャチハタは不可。認印でOKの場合が多いですが、念のため実印も持参すると安心です)
    • 身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)
    • 提出した「申立書」と「財産目録」のコピー(※手元で確認しながら答えるため絶対に必須!)
  • 準備しておいて良かったもの
    • 大きめのカバン(A4サイズが入るもの): 面談の際に、今後の後見業務に関する分厚いマニュアルや資料を大量に渡されます。
    • 飲み物: 裁判所内は乾燥していることが多く、緊張で喉が渇きます。

第2章:いざ家庭裁判所へ!面談当日のスケジュールと雰囲気

私が面談を受けた日は平日の午後でした。半休を取り、300km離れた管轄の家庭裁判所へ向かった当日のリアルな動きを時系列で追っていきます。

【13:00】早めに現地入り、ファミレスで最終確認

とにかく緊張していた私は、約束の時間より1時間以上も早く最寄り駅に到着しました。

裁判所近くのファミレスに入り、コーヒーを飲みながら、弁護士と作成した「申立書の写し」と「叔父の財産目録」を何度も読み返しました。まるで就職活動の最終面接を待つ学生のような心境です。

「財産額はいくらか」「毎月の施設費用はいくらか」など、数字に関する部分は頭に入れておきました。

【14:00】弁護士と合流し、いざ裁判所の中へ

今回の申立てを依頼した現地の弁護士さんと、裁判所の入り口で合流しました。

私の管轄の家庭裁判所は、地方裁判所(地裁)と同じ建物に隣接していました。そのため、入り口付近にはニュースで見るような記者らしき人たちや、神妙な顔つきのスーツの人たちがちらほらいて、さらに少しビビッてしまいました。

しかし、入り口の金属探知機(手荷物検査)を抜け、弁護士さんの案内でスムーズに家庭裁判所の待合室まで進むことができ、同行していただいたのは精神的に本当に助かりました。

【14:15】受付と「分厚い資料」の受領

書記官の窓口で受付を済ませると、「成年後見人ハンドブック」のような分厚い資料の束をドサッと渡されました。

この中には、成年後見人の役割、絶対にやってはいけないこと、毎年の定期報告義務の書き方など、今後数年にわたって私を苦しめることになる(?)重要なルールがびっしりと詰まっています。

第3章:面談室でのリアル。参与員(調査官)は何を聞いてくるのか?

待合室でしばらく待つと、私の名前が呼ばれ、弁護士と一緒に小さな個室(面談室)へ通されました。

① 制度説明のビデオ視聴(約15分)

面談室に入ると、まずは小型のテレビモニターで「成年後見制度とは何か」という説明ビデオを視聴させられます。

弁護士さんと二人並んで無言でビデオを見るのは少し不思議な空間でしたが、制度の重みと「他人の財産を管理する責任」について、改めて身が引き締まりました。

② 参与員(または調査官)との面談スタート(約30分)

ビデオが終わると、裁判所の職員である調査官、あるいはボランティアで関与する「参与員」と呼ばれる年配の方が部屋に入ってきて、いよいよ実質的な面談がスタートします。

くじら99

(※私の時は、温和そうな年配の参与員の方でした)。

面談の目的は、申立書に書かれている内容の「事実確認」と、私が後見人として「適格かどうか」のチェックです。具体的には、以下のようなことを順を追って質問されました。

【実際に聞かれた質問の例】

  1. 「今回、申立てに至った経緯を教えてください」(➡叔父が倒れ、認知症が進み、施設費用の支払いができなくなった状況を説明しました)
  2. 「叔父様の現在の預貯金は、約〇〇万円で間違いないですか?」(➡手元の申立書のコピーを見ながら、手探りで調べた結果であることを正直に答えました)
  3. 「ご自身の仕事と、遠方での後見人業務は両立できますか?」(➡これが一番のネックでした。弁護士のサポートも受けながら、責任を持って対応する旨を伝えました)
  4. 「叔父様の財産を、あなたや他の親族のために使うことはできませんが、理解していますか?」(➡「はい、理解しています」と強く答えました)

取り繕う必要はない。「誠実さ」が一番の武器

相手はプロです。分からないことを適当に答えたり、財産を少なく申告してごまかそうとしたりすれば、すぐに見抜かれます。

「通帳が見つからず、まだ全容が把握しきれていない部分もあります」と、正直に、誠実に答えることが最も重要です。

面談自体は、圧迫面接のような厳しいものではなく、むしろ「今後の後見業務、大変ですがよろしくお願いしますね」というような、穏やかで親切な雰囲気で進みました。

第4章:要注意!面談を受けても「親族が後見人に選ばれない」ケース

面談が和やかに終わったからといって、「これで確実に自分が後見人になれる!」と安心するのは少し早いです。

実は近年、家庭裁判所の判断により、申立てをした親族(あなた)ではなく、見ず知らずの弁護士や司法書士といった「第三者の専門家」が成年後見人に選任されるケースが非常に増えています。

(※最高裁判所の統計では、親族が成年後見人に選ばれる割合は、全体のわずか2割程度にとどまっています)。

家庭裁判所の面談を通して、以下のような状況が発覚した場合、専門家が選任される(あるいは親族と専門家が「共同」で後見人になる)可能性が高くなります。

1. 親族間で「意見の対立(揉め事)」がある場合

これが最も多い理由です。面談の中で「実は、兄はこの申立てに反対していまして…」といった発言が出たり、親族の同意書が揃っていなかったりすると、裁判所は「将来的に財産をめぐって親族トラブルになる」と判断し、中立な第三者である専門家を選任します。

2. 流動資産(預貯金)が多額な場合

目安として、ご本人の預貯金や有価証券などの「すぐに動かせるお金(流動資産)」が1,000万円〜1,200万円以上ある場合、親族による使い込み(横領)のリスクを警戒し、専門家が選任されやすくなります。(※この場合、「後見制度支援信託」という仕組みを利用して親族が後見人になる方法もあります)。

3. 今後、複雑な法律行為(不動産売却・遺産分割など)が控えている場合

「施設に入る費用を捻出するために、誰も住んでいない実家を売却したい」という目的で申立てをした場合など、高度な法律知識が必要な契約が控えているケースでは、最初から専門家が後見人に選ばれることが多いです。

もし第三者の専門家が後見人に選ばれた場合、ご本人の財産から毎月2万円〜5万円程度の「報酬」が、亡くなるまで一生涯引かれ続けることになります。

この点も、制度を利用する前に知っておくべき重要なリアルです。

第5章:面談終了。その後のスケジュールと「審判」

約1時間ほどのビデオ視聴と面談がすべて終わると、弁護士さんと簡単に今後の流れを確認し、家庭裁判所を後にしました。

面談を終えての率直な感想は、「準備さえしっかりしていれば、裁判所は決して怖い場所ではない」ということです。

担当してくれた参与員の方も非常に丁寧で、こちらの苦労を労ってくれるような場面もありました。悪いことをして呼び出されているわけではないので、冷静に自分の立場と状況を伝えるだけで大丈夫です。

面談後の流れ:いつから後見人として動けるのか?

面談が終わったからといって、その日からすぐに銀行の凍結が解除できるわけではありません。今後のスケジュールは以下の通りです。

  1. 審判書の到達(面談から約1〜2週間後): 家庭裁判所の裁判官が最終的な判断を下し、「あなたを後見人に選任します」という正式な書類(審判書)が自宅に郵送されてきます。
  2. 審判の確定(審判書が届いてから2週間後): 期間内に誰も不服申立てを行わなければ、法的に効力が「確定」します。
  3. 法務局への登記完了(確定からさらに1〜2週間後): ここで初めて「登記事項証明書」が発行され、銀行や役所の窓口で「私が後見人です」と証明できるようになります。

つまり、面談が終わってから実際に口座のお金が動かせるようになるまで、さらに「1ヶ月〜1ヶ月半」の時間がかかるのです。

この間も、施設費用や未払い料金の立て替えは続くことになります。

まとめ:成年後見人の面談は「スタート地点」に過ぎない

家庭裁判所での面談は、成年後見人としての長く厳しい道のりの「スタート地点」に立つための儀式です。

準備をしっかり行い、弁護士のサポートを受けながら臨めば、過度に恐れる必要はありません。これから面談を控えている方は、リラックスして挑んでください。

そして、この記事を読んで「家庭裁判所に呼び出されたり、親族が選ばれないリスクがあったり、やっぱり成年後見制度って大変だな…」と感じたあなたへ。

もし、この記事の対象となっているご本人が亡くなった場合、成年後見人の役割はそこで終了します。しかし、家族には休む間もなく、さらに厳密で、さらにペナルティの重い「相続手続き」という名の新たな面談や書類収集が待っていることを忘れないでください。

成年後見人で心身を削られたあなたが、相続の時にまで、税務署や法務局を自力で駆け回る必要はありません。

「自分でやる苦労は、成年後見人だけで十分です。」

もうこれ以上、あなたの貴重な時間を手続きで消耗したくない方は、以下の「丸投げできる解決策」をぜひ確認しておいてください。

次回は、私が実際に家庭裁判所に提出していた「定期報告(1円単位の収支報告)」の壮絶な実態についてお話しします。

くじら99

それでは、また!

※当サイトは実体験に基づく情報提供であり、法的なアドバイスを行うものではありません。個別具体的な手続きは、必ず弁護士や家庭裁判所にご相談ください。

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