こんにちわ。成年後見人経験者のくじら99(@9jira99)です。
今回は、成年後見人として申立てを行う前に経験した「家探し」の現実についてお話しします。
認知症によって判断能力が低下した方を支援する成年後見制度では、申立てのためにさまざまな書類が必要です。
しかし、もしそれらの書類が「どこにあるか分からない」「家が荒れている」としたら…。
本記事では、以下のポイントを解説します。
- 成年後見人申立てに必要な書類一覧
- ゴミ屋敷状態の家での書類探し
- 書類が見つからなかったときの対応
- 遠距離・高コストの現実と精算の注意点
- 放置車両・庭の管理と廃車処分の話
目次
成年後見申立てに必要な書類とは?

弁護士から提示された「申立てに必要な書類リスト」は以下の通りです。
- 預金通帳(すべての金融機関)
- 不動産登記簿・評価証明書
- 生命・医療保険の契約書
- 年金関係の証明書
- 過去の収支資料(請求書・明細)
- 本人の登記されていないことの証明書(法務局)
この情報を得るには、ご本人の家を探索する必要があります。
ゴミ屋敷状態の家に立ち入る

私が成年後見人となる対象者Aさんの家は、はじめての訪問でした。
場所は自宅から300kmほど離れており、新幹線での移動が必要。
立派な戸建てだったのですが、実際に入ってみると驚きました。
中は完全にゴミ屋敷状態。
新聞やチラシ、衣類やレジ袋が山積み。必要な書類がどこにあるのか、まったく分かりません。
【MEMO】家探しに必須の持ち物
- スリッパ(衛生面のため必須)
- ゴミ袋(仕分け・処分用)
- 作業用手袋
- マスク(カビ・ほこり対策)
書類探しの現実

預金通帳
キャビネットの奥から複数の通帳を発見。
ひとまず財務状況を把握する第一歩です。
ただし、口座が複数に分散しており、口座の整理が大変なことも判明。これは後見人就任後の業務へ。
不動産書類
家の設計図のような図面は見つかったものの、登記簿や権利書類は不明。
弁護士に相談し、別途調査を依頼しました。
保険書類
寝室や書斎を捜索しましたが、契約書は見つからず。
弁護士経由で保険協会に照会したところ、生命保険の契約はありませんでした。
年金・収支資料
年金受給証明書、施設からの請求書などは確認できました。
収支の根拠資料は、申立てで非常に重要です。
その他の課題と出費

交通費と実費
遠方からの対応のため、交通費や宿泊費などの持ち出しが発生。
後見人に正式に就任後、精算できましたが、立て替えは避けられません。
放置車両と庭
Aさん宅には未使用の車と荒れた庭が。
車は勝手に処分できない資産なので、後見人就任後に法的に廃車処分。
電気・ガス・水道の確認
公共料金はすべて未納でした。
口座残高はあるのに、引き落とし用の口座には資金がなく、3年以上支払いが止まっていた状態。
成年後見人になってから、請求書を精査し、支払い対応を開始しました。
家探しは、最初の難関
家探しに時間と体力を奪われる中、専門業者の活用を検討したこともあります。
ただし、ゴミ屋敷の清掃や遺品整理は想像以上に費用がかかります。
現地での判断力、そして費用の見極めが必要です。
▶ 不用品回収・ゴミ屋敷対応の一括見積サービス
自分で難しいと感じたら、業者選びから始めてみてください。
まとめ|人の家での書類探しは大変だ
成年後見人の申立てにおいて、**最初のハードルは「家の中から書類を探すこと」**です。
- 見知らぬ家の中を整理
- 書類の優先度と必要性を判断
- 未払い対応、車・庭など資産の確認
- 移動費用や作業の持ち出し
成年後見人制度は強力な法的支援制度ですが、非常に大きな負担も伴います。