こんにちわ。元成年後見人、くじら99(@9jira99)です。
この記事では、私が成年後見人になるまでに実際に経験した「申立て手続きの流れ」や「書類準備の大変さ」、そして「家探し・ゴミ屋敷の現実」まで、包み隠さずお伝えします。
これから後見制度の利用を検討している方、あるいは親の将来に不安を感じている方にとって、リアルな情報となれば幸いです。
目次
1. 成年後見制度を使う前に知っておきたいこと
まずははっきり言います。
成年後見人制度は “最終手段” です。
成年後見人は、認知症などで判断能力を失った方を法律的にサポートする制度ですが、その分手続きも厳格で、家庭裁判所の監督下で動くことになります。
もし今、親がまだ元気なうちに準備をしたいなら、「家族信託」という柔軟な制度の活用も視野に入れてください。
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2. 成年後見人になるための手続きの全体像
成年後見人になるには、以下のようなステップを踏みます:
- 家庭裁判所に申立て
- 医師の診断書など証拠の提出
- 親族間での同意や意見書の取りまとめ
- 裁判所による審査
- 成年後見人として選任され、登記
私の場合、遠方での手続きだったこと、仕事をしていたこと、法律の知識がなかったことなどから、弁護士に依頼しました。
書類の山、関係者の連絡調整、財産状況の把握など、自力では無理と感じたからです。
3. 後見申立書と必要書類|私の準備リスト

成年後見人の申立てには、大量の書類を提出しなければなりません。
以下は、実際に私が対応したリストです:
基本情報系
- 申立書(弁護士作成)
- 印鑑・身分証明書
- 戸籍附票・住民票
財産・生活状況の証拠
- 年金受給証明書
- 医療費・施設費の請求書
- 各銀行通帳の写し
- 保険契約書、有価証券の明細
不動産・その他
- 不動産の所有証明
- 本人登記証明書(法務局)
- 法定相続人の一覧、意見書
とにかく量が多く、他人の資産状況を短期間で正確に調べるのは本当に大変です。
4. 書類だけじゃない!現実的な課題と対処

手続きが書類だけで終わると思ったら大間違いです。現実には次のような課題がありました:
1. 請求書の山
Aさんの引き落とし口座に残高がなかったため、公共料金などの未払い請求書が大量に届いていました。
支払い再開の調整や、どこから督促が来ているかの調査が必要です。
2. ゴミ屋敷の片付け
家探しで通帳などを探すために訪れた自宅は、完全な”ゴミ屋敷状態”。
清掃業者を呼ぶも見積が高額で断念し、私が直接片付けました。
物理的な苦労もかなりありました。
3. ご本人はショートステイに入所中
措置入院のあと、ショートステイ施設へ。
費用も発生していましたが、成年後見人になるまでの間は支払いを猶予してもらっていました。
この間も、施設との連絡・資料整理が必要になります。
5. まとめ|制度の重さと、支援制度の選択肢
成年後見人制度は、手続き・実務の両面で大変です。
自力で乗り越えるのは相当な労力です。だからこそ、
必要に応じて弁護士や司法書士に依頼するのも立派な判断です。
そして、まだ親御さんが元気なうちには、
- 家族信託(柔軟な資産管理)
- 任意後見制度(本人の意思で後見人を指定)
など、ほかの制度も調べておきましょう。
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次回は、実際に裁判所へ出向いて行った成年後見人選任の流れを具体的にお伝えします。
ではまた。