どちらを選ぶ?成年後見人と家族信託

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こんにちわ。成年後見人経験者、くじら99(@9jira99)です。

自分自身が、40代50代になると、親も気づけば70代80代。
身体や病気のこと、生活のことなどが色々と心配になりますね。

親御さんと近くに住んでいる方と、遠く離れて仕事をされている方で、
状況も大きく違います。

今回は、漠然と遠くに離れた親を心配している方に向けて情報をお届けします。

私は、約3年間成年後見人及びそれに付随する仕事を行いました。
初めてこの仕事のことを知り、勉強しながら、なんとかやり遂げました。

その時の、知識や経験をこのブログに書いています。

今回は、その成年後見人制度と最近よく耳にする家族信託という制度についてお話をしたいと思います。高齢者や意思能力が不十分な方の財産管理や生活支援には、さまざまな制度が存在します。

その中でも、成年後見制度と家族信託は代表的な選択肢です。

今回は、成年後見人と家族信託の違いについて詳しく解説します。

結論ですが、親御さんが認知症でない方で健康面・体調面が心配な方については、家族信託の検討をオススメします。

一番の理由は、自分自身が仕事をしながら親御さんの面倒を見続けるため、現実的な回答になるからです。(仕事しながら がポイントです)

成年後見人とは?

成年後見制度の概要

成年後見制度は、認知症や精神障害などで判断能力が低下した方の財産管理や生活支援を行うための制度です。

家庭裁判所が成年後見人を選任し、被後見人(支援を受ける人)の利益を守るために行動します。

成年後見人の役割

成年後見人は、被後見人の財産管理や契約の代行、生活支援などを行います。

例えば、日常の金銭管理、医療機関との連絡、介護サービスの契約などが含まれます。
また、大きな財産取引や不動産の処分には、家庭裁判所の許可が必要です。

成年後見制度のメリット

  • 家庭裁判所の監督下で行われるため、不正行為が防止される。
  • 被後見人の意思能力が低下している場合でも、支援が受けられる。

成年後見制度のデメリット

  • 手続きが煩雑で費用がかかる。
  • 家庭裁判所の許可が必要な場面が多く、迅速な対応が難しいことがある。

この家庭裁判所というのが、大きなポイントです。

私のような法定成年後見人、また、職業で行う方などもいて、不正防止や透明性を維持するための大事なポイントです。

同時に、手続き一つとっても(お金の振り込みなど)、金額によっては家庭裁判所に申立てが必要となります。すぐにはできないことが多いです。

家族信託とは?

家族信託の概要

家族信託は、信頼できる家族や親族に自分の財産を預け、その管理や処分を任せる制度です。

信託契約により、財産の管理や処分方法を事前に決めておくことができます。

家族信託の役割

信託財産は、信託契約によって信託受託者(家族など)に管理されます。

信託受託者は、信託契約に基づいて財産を管理し、受益者(信託の利益を受ける人)のために使用します。

信託契約に基づくため、信託者(財産を預ける人)の意思が反映されやすいです。

家族信託のメリット

  • 柔軟な財産管理が可能で、家庭裁判所の介入が少ない。
  • 信託者の意思を反映しやすく、財産の処分や管理が迅速に行える。

家族信託のデメリット

  • 信託契約の作成には専門知識が必要で、初期費用がかかる。
  • 信託財産の管理には信託受託者の信頼性が重要で、不正リスクがある。

成年後見人と家族信託の違い

監督機関の違い

成年後見制度は家庭裁判所の監督下で行われるのに対し、家族信託は基本的に信託受託者が直接管理します。

このため、成年後見制度は不正防止の観点でより厳格ですが、手続きが複雑です。

柔軟性の違い

家族信託は信託契約によって財産の管理方法を詳細に定めることができ、柔軟な対応が可能です。
一方、成年後見制度は家庭裁判所の許可が必要な場合が多く、柔軟性に欠けることがあります。

費用と手続きの違い

成年後見制度は手続きが煩雑で、費用もかかります。
特に、後見期間が長くなればなるほど、後見報酬なども高くなる傾向があります。

家族信託も契約作成時に費用がかかりますが、契約後の管理は比較的簡単です。

どちらを選ぶべきか?

成年後見制度が適している場合

  • 被後見人の意思能力が著しく低下している場合。
  • 財産管理において厳格な監督が必要な場合。

家族信託が適している場合

  • 自分の意思を反映した財産管理をしたい場合。
  • 柔軟かつ迅速な対応が求められる場合。

端的に、すでに認知の問題が起きてしまっているのであれば、成年後見人制度に頼るしかない場合が多いです。

事前に、ご家族の間でお話ができる状態であれば、家族信託の方が家族が助かります。

私の場合は、身寄りがなく、認知の問題があり、急遽成年後見人になりました。

その制度のおかげで助かったことも多かったです。

家族がいて、関係性もあり、将来の相続のお話もできるのであれば家族信託を決めておいて、
いざという時に備えることをオススメします。

ご興味があれば、下記の記事をご参考にしてみてください。

まとめ

成年後見制度と家族信託は、それぞれ異なる特性を持っています。

どちらを選ぶべきかは、被後見人の状況や希望する財産管理の方法によって異なります。
両方の制度の特性を理解し、適切な選択をすることが重要です。

特に複雑なケースや判断に迷う場合は、法律の専門家に相談することをおすすめします。

色々と、今後のことについてお話しできる機会(お盆や年末年始等)にでも、話題にしてみてはいかがでしょうか?

今後も、具体的な成年後見人のリアルをお伝えしますね。ではまた。

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