成年後見人をつけたくない:事前にできる対策と選択肢

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こんにちわ。成年後見人経験者、くじら99(@9jira99)です。

高齢化社会において、認知症や判断能力の低下により財産管理や生活支援が必要になることがあります。

しかし、成年後見人をつけることに抵抗を感じる方も多いでしょう。

今ままで、成年後見人の立場よりその業務内容などをお伝えしてきました。

今回は、ご家族の立場より、成年後見人をつけたくない場合についての話です。
成年後見制度は、家庭裁判所の監督下で行われるため、手続きが煩雑で費用もかかります。

今回は、成年後見人をつけたくない方のために、事前にできる対策や代替の選択肢について紹介します。

成年後見人をつけたくない理由

成年後見人をつけたくない理由は人それぞれですが、以下のような点が挙げられます:

  • 費用がかかる: 成年後見人の報酬や手続き費用が負担になることがあります。
  • プライバシーの問題: 財産や生活状況が家庭裁判所に監督されるため、プライバシーが保たれないと感じることがあります。
  • 手続きが煩雑: 申立てから後見人選任までの手続きが複雑で、時間がかかることがあります。私のブログはこの大変さの詳細を書いています。
  • 信頼できる後見人がいない: 適任の後見人が見つからない、あるいは後見人に対する信頼感が持てないことがあります。

個人的にですが、費用がかかる点と信頼できる後見人がいないパターンが大きいと思います。
いざとなる時、家族と意見が違う成年後見人だと大変です。

事前にできる対策

1. 任意後見契約の利用

任意後見契約は、自分がまだ意思能力を保っているうちに、信頼できる人(任意後見受任者)を後見人として指定する契約です。この契約により、必要な時に後見人をつけることができます。

  • 手続き: 公証役場で契約を結び、公証人の認証を受けます。
  • メリット: 自分の意思で後見人を選ぶことができ、必要な時に備えることができます。
  • デメリット: 任意後見契約を結ぶには費用がかかり、定期的な監督がないため不正のリスクがあります。

2. 家族信託の活用

家族信託は、信頼できる家族や親族に財産を預け、その管理や処分を任せる制度です。
信託契約によって、財産の管理方法を詳細に定めておくことができます。

  • 手続き: 信託契約を結び、財産の管理者(信託受託者)を指定します。
  • メリット: 柔軟な財産管理が可能で、家庭裁判所の介入が少ないです。
  • デメリット: 信託契約の作成には専門知識が必要で、初期費用がかかります。

家族信託は、サービスが充実してきました。詳細は、下記の記事をご参考ください。

3. 財産管理サービスの利用

銀行や信託会社が提供する財産管理サービスを利用することも一つの方法です。これにより、専門家による財産管理が受けられます。

  • 手続き: 各金融機関で契約を結びます。
  • メリット: 専門家による適切な財産管理が期待できます。
  • デメリット: サービス利用料がかかることがあります。

こちらは、銀行業務の一環ですがある程度財産などがある方向きかもしれません。

事前に対応ができていない場合

それができていれば、困らないです という方がほとんどでしょう。
認知症等を、正確に早めにキャッチしなければ上記の対応は難しいのかもしれません。

認知症・MCIの話は下記の記事ご確認ください。

選択肢と注意点

1. 信頼できる人を選ぶ

任意後見契約や家族信託では、信頼できる人を選ぶことが最も重要です。選定には慎重を期し、契約内容を明確にしておくことが大切です。

これができれば苦労しないよ、という話もありますね。

2. 専門家の助言を受ける

契約内容や手続きについては、弁護士や司法書士、信託の専門家に相談し、適切な助言を受けることが推奨されます。
専門家のサポートを受けることで、リスクを最小限に抑えることができます。

3. 定期的な見直し

契約を結んだ後も、定期的に内容を見直し、必要に応じて変更や修正を行うことが重要です。
ライフスタイルの変化や法律の改正に対応するため、継続的な管理が必要です。

親が認知症でも、成年後見人をつけたくない場合

すでに親が認知症になってしまったけれども、どうしても成年後見人をつけたくないという方。

そんなあなたに、参考となる本を見つけてきました。

成年後見人制度には、いろいろな問題が指摘されていますが、専門家の力を借りたりして乗り越えたケースもあるようです。ご興味のある方は、下記の本を読んでみてください。

成年後見人をつけなければいけないと言われたけど、どうしてもつけたくない!」と言う人がたどり着く本。誰も教えてくれなかった成年後見人を回避する手段について解説しており、軽はずみに成年後見人をつけることのリスクや、親なきあと対策を何もしていないことのリスクについても解説しています

まとめ

成年後見人をつけたくないと考える方には、任意後見契約や家族信託、財産管理サービスなどの代替手段があります。

これらの選択肢を検討し、自分に合った方法を見つけることで、将来的なリスクに備えることができます。

信頼できる人を選び、専門家の助言を受けながら、適切な準備を進めていきましょう。

もちろん、事前に準備できていれば良いですが、こういう話は突然やってくるものです。
そんな場合でも、自身の考えを整理するためにも成年後見人をつける、つけないという選択肢は大事です。参考書籍などで、知識を深めてみてください。

今後も成年後見人のリアルをお伝えします。ではまた。

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